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【経理実務へ役立つ】社会人のための簿記3級講座~科目別解説「例題解説:手形の裏書譲渡」~【独学で簡単に理解】

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日商簿記3級対策~科目別解説「例題解説:手形の裏書譲渡」~

今回は「例題解説:手形の裏書譲渡」について説明していきます。

(2019年改正により2級以上の出題となりました。)

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こんにちは、ゆきじろうです。
簿記学習を社会人から知識ゼロで始めて公認会計士になりました。
複式簿記は人類最高の発明の一つと言われます。
簿記は決算書が読めたり経営が分かるようになったり決して無駄にはなりません。簿記には人生を変える力があります。一人でも簿記を好きになる人が増えればいいなと思い簿記が好きになるような解説を心がけていきます。

例題解説:手形の裏書譲渡

「手形の裏書譲渡」の例題を解いてみましょう。

問題

次の取引を仕訳しなさい。

①会社Aに対する買掛金10,000円を支払う為、会社Bから受け取っていた約束手形を裏書譲渡した。

②会社Aに対する売掛金20,000円の回収にあたり、会社B振り出しの約束手形を裏書譲渡された。

③会社Aより商品30,000円を仕入れ、代金のうち20,000円は、会社B引き受け、当社を指図人とする為替手形を裏書譲渡し、残額は約束手形を振り出した。

解答

①(借) 買掛金 10,000 (貸) 受取手形 10,000
②(借) 受取手形 20,000 (貸) 売掛金 20,000
③(借) 仕入 30,000 (貸) 受取手形 20,000
支払手形 10,000

解説

①(借) 買掛金 10,000 (貸) 受取手形 10,000

「買掛金」という負債が減ったため借方(左側)に記入。
「受取手形」という資産が減ったため貸方(右側)に記入。

会社Bから受けとって持っていた「受取手形」を会社Aへの支払いに使いました。

②(借) 受取手形 20,000 (貸) 売掛金 20,000

「受取手形」という資産が増えたため借方(左側)に記入。
「売掛金」という資産が減ったため貸方(右側)に記入。

会社Aから支払い代金の代わりに、会社Bが振り出した「受取手形」を受け取りました。

③(借) 仕入 30,000 (貸) 受取手形 20,000
支払手形 10,000

「仕入」という費用が増えたため借方(左側)に記入。
「受取手形」という資産が減ったため貸方(右側)に記入。
「支払手形」という負債が増えたため貸方(右側)に記入。

一つ一つ取引を見ていきましょう。

まず、会社Aから30,000円分を「仕入」をしました。
その支払いの内訳として、当社が持っている受取手形20,000円を充てます。
そして、残額の10,000円は約束手形を新たに振り出したということです。

為替手形の当事者を整理しておきます。

振出人(手形作成者、差出人)=手形を振り出した人(お金は支払わない)
受取人(指図人)=手形を受け取った人(お金を受け取る人)
支払人(名宛人、引受人)=手形を引き受けた人(お金を支払う人)

振出人=不明(問題文から判明しない)
受取人(指図人)=当社
支払人(名宛人)=会社B

学習のポイント(実務小話)

手形の裏書譲渡の処理の例題を解説しました。

手形の利点の一つに、手形の期日が来る前に他人へ譲渡することができるということです。

その際には、手形額面に記載された金額、例えば20,000円の受取手形であれば、20,000円の価値があります。

つまり、大まかに言えば、受取手形はお金と同じように支払いに使えるということです。

その際には誰に譲渡したか手形の裏側に書いていくので裏書譲渡と言います。

このような仕組みも、簡単に言えば、会社間の取引を簡単にかつ効率的にするためにあるものです。

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