日商簿記3級対策~科目別解説「例題解説:精算表②」~
今回は「例題解説:精算表②」について説明していきます。
例題解説:精算表②
「精算表②」の例題を解いてみましょう。
今回は仕訳を切るところからの問題です。
問題
次の①から④の決算整理を反映し、精算表を完成させなさい。決算日は3月31日とする。
①売掛金の残高に対して、5%の貸倒れを見積もる。なお、差額補充法を用いる事とする。
②期末商品棚卸高は15,00円である。売上原価は「仕入」の行で計算する。
③建物について定額法にて減価償却を行う。残存価額は取得原価の10%、耐用年数は20年とする。
④向こう1年分の家賃81,000円を10月1日に支払っている。
解答
解説
まずは、決算整理の仕訳を行います。
①貸倒引当金
仕訳は以下のとおりです。
(借)貸倒引当金繰入 500 | (貸)貸倒引当金 500 |
売掛金の残高に対して、5%の貸倒れを見積もります。
試算表欄の売掛金の残高は50,000円です。
この50,000円の5%、250円を貸倒れとして計上します。
そして、差額補充法なので、現在の貸倒引当金残高の200に50円を追加して計250円の貸倒引当金を計上します。
①繰越商品
(借)仕入 1,300 | (貸)繰越商品 1,300 |
(借)仕入 1,500 | (貸)繰越商品 1,500 |
手順としては、おなじみ仕入/繰越商品、繰越商品/仕入です。
まずは、期首の繰越商品1,300円を仕入に振り替えます。
次に期末の売れ残った仕入1,500円を繰越商品に振り替えます。
この仕訳の意味を解説します。
期の初めにあった繰越商品(在庫)1,300円は、もう期のどこかで売れてるはずなので0にするのが最初の仕訳です。
そして、期末に売りれ残っている商品1,500円を繰越商品に計上します。
③減価償却費
(借)減価償却費 270 | (貸)減価償却累計額 270 |
減価償却費を計上します。
建物の取得原価は6,000円。残存価額は10%の600円です。
取得原価6,000円から残存価額600円を引いた金額は5,400です。
これを耐用年数の20年で割ります。
減価償却費は270円と算出されます
④前払費用
(借)前払家賃 4,050 | (貸)支払家賃 4,050 |
一年分の家賃を10月1日に支払っています。
支払った金額のうち6か月分は当期の費用となります。
残りは来期の費用ですので前払費用として処理します。
以下の手順で記入。
①修正記入欄へ記入
②損益計算書欄、貸借対照表欄への記入
③当期純利益か当期純損失の算定と記入
金額を記入したら、貸方の合計と借方の合計金額が一致するかを必ず確認します。
学習のポイント(実務小話)
精算表②の例題を解説しました。
簡単な総合問題のような問題でした。
本試験の総合問題はこれよりも分量が多い問題が出題されます。
試験を解くときのポイントとしては、情報量が多い時は細かく区分けすることです。
区分けをしたらその部分に集中します。
全体を見渡して混乱して、手がつかないという事態を避けることができます。
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