日商簿記3級対策~科目別解説「例題解説:現金過不足の決算整理」~
今回は「例題解説:現金過不足の決算整理」について説明していきます。
例題解説:現金過不足の決算整理
「現金過不足の決算整理」の例題を解いてみましょう。
問題
次の取引を仕訳しなさい。
①決算において、原因不明の現金過不足が借方に700円ある。
②決算において、原因不明の現金過不足が貸方に800円ある。
解答
①(借)雑損 700 | (貸)現金過不足 700 |
②(借)現金過不足 800 | (貸)雑益 800 |
解説
①(借)雑損 700 | (貸)現金過不足 700 |
「雑損」という費用が増えたため借方(左側)に記入。
借方の「現金過不足」という仮勘定を消し込むため貸方(右側)に記入。
②(借)現金過不足 800 | (貸)雑益 800 |
貸方の「現金過不足」という仮勘定を消し込むため借方(左側)に記入。
「雑益」という収益が増えたため貸方(右側)に記入。
学習のポイント(実務小話)
現金過不足の決算整理の処理の例題を解説しました。
「現金過不足」が「借方に残っている」という状態がどのような状態か理解しにくいのではないでしょうか。
例えば、実際の現金が300で、帳簿の現金が400だと、100足りないことになります。
足りない分の実際の現金100がどこからか出てきて見つかったなら、実際の現金が100増えて、実際の現金400、帳簿の現金400で実際の現金と帳簿残高一致します。
では、一致しない場合というと
(借方)現金過不足100/(貸方)現金100
と仕訳をします。
このようなことを踏まえて、問題文に戻りますと「現金過不足」勘定が借方にある状態というのは、実際の現金がその分だけ不足している状態を表しています。
現金が足りない分は決算整理において「雑損」で処理します。
実務では、今は会計ソフトなどありますから、過不足の理由が判明することが多いですね。
【無料お試しあり】社会人知識ゼロから公認会計士合格の僕がおすすめする簿記予備校スクール【簿記3級講座4,000円以下も】