日商簿記3級対策~科目別解説「前受収益(収益の繰延べ)」~
今回は「前受収益(収益の繰延べ)」について解説していきます。
前受収益(収益の繰延べ)について
今回は前受収益(収益の繰延べ)です。
例えば、3月末が決算となる会社で、1月1日にお金を貸して、1年分の利息を同時に受け取っていた場合、9ヶ月分の利息は、本来は来期の収益となります。
受け取ったのは、1月から12月までの1年分の利息です。
1月~3月までの利息は当期の収益ですが、3月末に決算をまたぎますので、は来期の収益です。
この「もう受け取ってしまったけど、来期の収益となるもの」を、前受収益という負債に振り替える事を、収益の繰延べといいます。(2019年から簿記3級では繰延べ・見越しという表現は使わなくなりました)。
前受している収益は、「前受収益」「前受利息」という勘定科目を使います。
実際の問題を解く場合は、問題文で与えられている勘定科目をよく見て解答しましょう。
前受収益は、前払費用とは逆に「負債」と扱います。
前受収益(収益の繰延べ)の仕訳について
「前受収益」について以下の項目で説明します。
①収益を受け取った。
②決算を迎えた。
③次期になった。
①収益(利息)を受け取った。
以下の例で説明します。
「1月1日に貸したお金の利息を、1年分の1,200円を現金で受け取った。」
(借)現金 1,200 (貸)受取利息 1,200
この時点では通常利息の受取りの仕訳をします。
②決算を迎えた。
3ヶ月分は今期の利息ですが、9ヶ月分は来期の利息となります。
つまり900円は来期の利息として繰り延べる処理です。
(借)受取利息 900 (貸)前受利息 900
「受取利息」という「収益」が減ったため借方(左側)へ記入。
「前受利息」という「負債」が増えたため貸方(右側)へ記入。
③次期になった。
次期では、繰り延べをした利息を収益にできる時期になります。
そのため本来の勘定科目である「受取利息」に振り替えます。
(借)前受利息 900 (貸)受取利息 900
「受取利息」という「収益」が増えたため貸方(右側)へ記入。
「前受利息」という「負債」が減ったため借方(左側)へ記入。
学習のポイント(実務小話)
今回は、前受収益(収益の繰延べ)について解説しました。
前払費用、未収収益、未払費用、前受収益の4つを経過勘定といいます。
前受は、もうすでに利息などを受け取っているけど、その分は来期の収益なので、来季へ押しこくる処理です。
でも業績の悪い会社って、来期じゃなくて当期の収益にしたくなりませんか?このような粉飾決算が起こらないように書類をチェックするのも会計士の仕事です。
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