転職先を決めずに辞めた時にしなければならない手続きとは?
次の転職先を決めずに辞めた場合、離職期間となります。
離職中は無職です。
ということは誰に雇用されているわけでもないフリーな状態なわけです。
そのため、一個人として、まず会社を辞めた後にしなければならないことがあります。
フリーになるために必要な手続とも言えます。
それが次の三つです。
国民健康保険への加入
国民年金への切り替え
失業保険の申請
では、それぞれどういうものなのか順番に紹介します。
国民健康保険への加入
健康保険が変わります。
医者に行った時に提示する保険証も変わります。
会社に在籍している間は、会社の健康保険組合や協会けんぽに加入していることが多いと思います。
それを脱退して、国民健康保険に切り替える手続きです。
会社の健康保険を継続するという任意継続という方法もありますが、ここでは省きます。
退職後14日以内に手続きします。が、
焦ってはいけません。加入していた健康保険から発行される資格喪失証明書が必要です。
資格喪失証明書を郵送などで入手したら手続きをします。
行く場所は、市区町村役場の国民健康保険課です。
持ち物は以下の通りです
- 社会保険団体などから発行される資格喪失証明書
- 世帯主と保険切り替えをする当人のマイナンバー通知カードか個人番号カード
- 印鑑
国民年金への切り替え
これも市区町村役場で行います。
健康保険の切り替えと同時にしてしまいましょう。
厚生年金に加入していた人は国民年金への切り替え手続きが必要になります。
退職日から14日以内に、居住地の市区町村役場の国民年金担当窓口での手続きが必要となります。
年金手帳または基礎年金番号通知書に加え、退職証明や離職票などの退職日の分かる書類、免許証など身分証明書が必要となります。
失業保険の申請
失業保険の申請手続を行います。
これはハローワークへ行きます。
3つの手続きの中で一番手間のかかる手続きとなります。
順番に説明していきます。
失業保険に必要な物
必要な書類等は以下の通りです。
①雇用保険被保険者離職票-1,2
②マイナンバーカード
マイナンバーカードがない場合は次の【1】と【2】
【1】マイナンバー確認書類
・マイナンバー通知カード又はマイナンバーの記載がある住民票 (住民票記載事項証明書)
【2】身元確認書類
(1)のうちいずれか1種類。(1)がない場合、(2)のうち異なる2種類(コピー不可)
(1)運転免許証、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)など
(2)公的医療保険の被保険者証、年金手帳など
要するに、「マイナンバーカード」がなければ、「運転免許証」と「マイナンバー通知カード」を持っていきましょう。
③証明写真(縦3cm×横2.5cm)2枚
写真が必要となります。2枚用意しましょう。
④本人の印鑑(認印で可。シャチハタ不可)
⑤本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
失業保険が振り込まれる銀行口座の情報が必要となります。
ハローワークの手続き
離職票を手に入れたら、必要書類を持参し、速やかに現住居を管轄するハローワークに行きましょう。ここで、下記の手続きを行います。
①求職申込み
⓶離職票等必要書類の提出
③雇用保険説明会の日時決定
「求職申込み」は、再就職の意思を示すもので必ず必要となります。
離職票を提出する際には、記載されている離職理由が自分の認識と相違ないか確認し、異なる場合はハローワークの担当者にその旨を伝えましょう。
相違ないかというのは、要するに会社都合で辞めたのか、自己都合で辞めたのかということです。会社都合と自己都合では失業保険のもらえる期間が違います。
と言ってもここであまりハローワークの担当者とあれこれ話したりするのも面倒です、退職理由も後の祭り感がありますし、できれば退職理由でもめないようにしたいですね。
そして、その場で次の段階となる「雇用保険説明会」の日時について、担当者より案内があります。
雇用保険説明会へ参加
指定された日時に雇用保険説明会(雇用保険受給者初回説明会)に行きます。
失業保険の制度の説明があります。
この説明会で「失業認定日」が分かりますので、チェックしましょう。
失業保険の給付を受けるには、
①確かに失業認定日に失業してますという確認
⓶でも就職する意思があり活動しましたという確認
の2つが必要になります。
それを「失業認定申告書」に記入して報告するのが失業認定日です。
雇用保険説明会では、他に、職業訓練の紹介などがあります。
失業認定日にハローワークへ行く
失業手当を受給するには、月2回以上の求職活動が必要になります。
失業認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出し、失業の認定を受けましょう。
失業保険の給付が振り込まれる
失業認定日から通常5営業日後に、指定した銀行口座に失業手当が振り込まれます。
自己都合退職の場合、ハローワークに離職票を提出後、待機期間7日+3カ月を経るまで失業給付金を受け取ることができません。
一方、会社都合退職の場合には、待機期間7日間+約1カ月後に第1回目の支給を受け取ることができます。
以後は、原則として4週間に1度、失業の認定をハローワークで受けることで継続的な受給が可能となります。
失業手当がもらえる期間は、離職日の翌日から1年間です。
手続きが遅れてしまうと、最後までもらいきれないこともあるので注意しましょう。
また、早く転職先が決まれば「再就職手当」が受けられる場合もあります。
転職先を決めずに辞めるにあたっての心構え
以上、次を決めずに辞めた時の手続き、3つを紹介しました。
転職時にいったん離職してから少し休んでと考える人も多いと思います。
これはある意味、諸刃の剣です。
確かに数か月間の休暇が手に入りますが、それにともなうリスクがあります。
しっかり準備してから臨みましょう。以下の事象が生じます。
①まずかなりお金が減ります。失業保険では賄いきれないことが多いです。自己都合退職の場合、3か月+7日は失業保険がもらえません。
②離職すると健康保険やハローワークの手続きがめんどくさいです。
③次の就職先が決まっていない場合無職になると精神的に不安になります。
このようなリスクがあります。
ですから、いったん離職する場合にも次の職を決めてからをおすすめします。
本当に会社に所属していることのありがたみが分かります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。