公認会計士試験に頭の良さは必要か?
公認会計士試験に頭の良さは必要でしょうか?
と質問されることがあります。
その質問の真意は、生まれもった頭の回転の速さや、並外れた理解力がなければ、公認会計士試験に合格できないのかということです。
そのような意味の質問であれば、答えは「必要ない」です。
そのような意味での頭の良さは必要ありません。
今回は、公認会計士試験に頭の良さは関係ないというテーマを書きます。
知識0の状態から勉強を始め、専念受験生に引けを取らない成績で合格。
得意科目は会計学で、論文式試験では偏差値60越え、上位10%以内の成績でした。
公認会計士試験に頭の良さは不要という根拠
基本的にはパターン
極論を言えば、試験はパターンです。
こう来たらこう答える。
ただそれだけです。
数値を変えているだけ、言葉を変えているだけ、問い方を変えているだけです。
ある程度勉強が進めばそのような共通の法則を見出すことができるでしょう。
そうなってくると合格も近いです。
簿記は高度な数学の知識は必要ない
簿記に高度な数学の知識は必要ありません。
簿記は数値を扱うので、高度な数学の知識が必要なのではないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
高度な数学の知識は使いませんし、必要ありません。
足し算、引き算、かけ算、わり算ができれば十分です。
あえて言えば、少し難しい式を使うのは、選択科目の経営学や統計学でしょう。
それについても、そんなには難しくないし、出題される範囲も広くはないです。
難しい論理が問われることもない
論文式試験の論述問題も難しい論述はあまり要求されません。
素晴らしい論理構成を組み立てるとかそういうのはないです。
難しい理論は基本聞かれないです。
暗記がモノを言う
難しい計算もなければ、理論構成も必要ありません。
なぜなら、受験勉強は基本的に知識の出し入れであるからです。
そういうわけで結局のところ暗記がモノをいう試験だと思います。
高度な数学の知識や理論構成が不要な理由
公認会計士試験に高度な数学知識や理論構成が問われない理由を考察してみます。
実務家の試験である
おそらく、これが一番の理由でしょう。
簿記は決算書を作るためのツールです。
そして監査は、その決算書が正しいかどうかを確かめる手法です。
実務家になるための試験です。
研究者になるための試験ではありません。
いかに素晴らしい理論であっても、実践できなければ意味がありません。
実務は実践可能性が大切です。
専門家もよくわからない理論はクライアントもわかるはずはないのです。
一定以上の実力を担保する試験
特に監査という業務は誰がやっても同じ水準でなくてはならないものです。
その成果に一定の水準と客観性が要求されます。
一定以上の実力を判断するための試験に「特別な才能」は必要ないのです。
特別な才能を要求したら、試験に合格する人がいなくなってしまいます。
ペーパーテストであること
ペーパーテストの限界もあるでしょう。
採点者サイドも、採点や評価が難しいところです。
ですから、ある程度採点基準が明確な問題を出さざるを得ません。
そうしますと、論述問題などは基本的には定型的な出題となりがちです。
余談:社会に出ると仕事は考える力が重要
社会に出るとペーパーテストと違って基本的に答えがない仕事ばかりです。
ですから、「答えがない中でどう落としどころを付けるか」という力が大切になってきます。
この能力は、公認会計士試験で培われた能力とはまた違った能力です。
その能力とは、コミュニケーション能力、物事を俯瞰できる力、判断力などであったりします。
むしろこちらの方で頭の良さが要求されることになるでしょう。
以上、今回は公認会計士試験に頭のよさは必要かを考察しました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。