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【難化傾向】公認会計士登録に必要な実務補習と修了考査とは【登録までの道のり】

公認会計士
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2021年度の修了考査の合格率

最近「令和3年度(2021年度)修了考査」の合格発表がありました。

【受験願書提出者数】2,366名
【受験者】2,174名
【合格者】1,404名
【対受験願書提出者数合格率】59.3%
【対受験者数合格率】64.6%

前年は「令和2年度(2020年度)修了考査」は、1936人中959人、合格率49.5%(対受験者数)です。

令和3年も新たに1,409人の公認会計士が誕生したということで、本当におめでとうごさいます。

しかし、一昔前までは、合格率70%と言われた修了考査ですが、近年難化が進んでおります。

せっかく会計士試験に合格したのに修了考査が受からない、なんて人も最近は多いのかもしれません。

でも、この「修了考査」ってあまり知られていないようです。

会計士試験受験生でも、修了考査ってなんでしょうか?という方も少なくありません。

そこで、今回は、会計士試験合格後に受験することになる「修了考査」について、少し書いてみます。

私は社会人で働きながら公認会計士になりました。
知識0の状態から勉強を始め、専念受験生に引けを取らない成績で合格。
得意科目は会計学で、論文式試験では偏差値60越え、上位10%以内の成績でした。

意外と知られていない「修了考査」の存在

公認会計士試験に合格すれば、即、公認会計士になれるわけではありません。

公認会計士試験に合格すれば、それでもう試験は終わりではないのです。

会計士受験生の時にあまり意識していないことかもしれませんが、会計士になるための道のりは、以下の様になっています。

公認会計士試験に合格

実務補習所に通う(通常は3年)+実務経験を積む(2年※)
※令和4年5月18施行の公認会計士法の改正により3年へ変更

修了考査合格

公認会計士登録

公認会計士試験の合格から、おおよそ3年半くらいかかるスケジュールになっています。

なかなか長い道のりですよね。

公認会計士試験合格後には大体の人は、監査法人に就職します。そこで実務経験を積みつつ補習所へ通い、3年後に修了考査を受験するということになります。

しかし、冒頭にご紹介しましたように、合格率が約50%だとすると半数の人が会計士登録は、また1年おあずけ状態になってしまいます。

そして「公認会計士試験合格者」という微妙な立場が継続します。

厳しい世界ですね。

それでは、少し各論に移りまして、次に「実務補習所ってどんなところか」、「修了考査とはどんな試験なのか」について少しご紹介します。

実務補習所はどんなところ

試験合格の1か月後くらいに入所するのが実務補習所です。

「会計教育研修機構」といいます。東京ですと公認会計士協会と同じ場所、市ヶ谷に通います。

監査法人に勤めている人向けの平日クラスと、一般企業に勤めている人向けの土日クラスがあります。

実務補習所では、要するに所定の単位をとればOKです。

やることは、主に次の3つです。

1.講義を聴くこと

2.レポートを書くこと

3.考査(テスト)を受けること

1.の講義を受けることはただ協会ビルにいって講義を聞いていれば単位がもらえます。

2.のレポートはお題が出されますので、所定の文字数を書いたレポートを提出します。これもまあ普通にやっておけば大丈夫です。

3.の考査を受けることですが、これが所定の点数をとれないケースがたまにあります。特に税務の方は難しいのでそれなりに勉強が必要です。ちなみに追試を受けることができますが、お金がかかります。

以上の課題をこなして、単位が取り終われば修了考査へ進むことができます(実務経験も充足していれば)。

と、会計士受験生からしますと気持ちが少し萎えそうですが、心配することはありません。

補習所はとにかく普通にやっていれば大丈夫です。

私は実務経験がありましたので3年を1年に短縮しましたが、すべての課題を1年でやりきることも可能でしたので、そのくらいの分量ということです。

修了考査とはどんな試験なのか?

公認会計士試験は国家試験ですが、「修了考査」は国家試験ではありません。

日本公認会計士協会が実施する試験です。2日間で実施します。

試験科目は以下の様になっています。

・会計に関する理論及び実務

・監査に関する理論及び実務

・税に関する理論及び実務

・経営に関する理論及び実務

・公認会計士の業務に関する法規及び職業倫理

一昔前は合格率70%ですから、何か書けば受かると言われました、しかし今はどうやら状況は違うようです。

それぞれどんな試験なのかを簡単にコメントします。かなり私見です。もう忘れかけているかもしれません。

会計に関する理論及び実務

印象としては会計士試験の会計学の焼き直しです。商業簿記のみです。

連結とかそういうのが再びでてきました。

つまり、論文式試験の時の力を維持していれば大丈夫ということですね。

監査に関する理論及び実務

内容的には監査論+実務チックな記述という感じでした。

基本的には会計士試験の監査論をきちんと学習して、実務の経験をプラスすれば乗り切れると思います。

税に関する理論及び実務

修了考査の鬼門と呼ばれることもあります。

法人税、消費税、あと連結納税、相続税なども出てきた記憶があります。

補習所では、会計士試験では範囲外の、連結納税や相続税などを学習します。

そのあたりをうまくアップデートしつつ、既存の知識の法人税、消費税をしっかり取ることで対策できると思います。

経営に関する理論及び実務

正直何が出たか記憶が薄れていますが、とりあえず財務分析とIT統制のあたりが出題されたような気がします。

出題範囲もふんわりしていますが、何とか予備校テキストベースの知識を押さえて試験で応用を利かすということですね。

公認会計士の業務に関する法規及び職業倫理

セーフガードとかその辺りが出た気がします。

これも監査論の延長のような感じです。

試験時間が1時間と短かった記憶があります。あっという間に終わりました。

修了考査の合格発表は会計士試験よりもプレッシャーがある

12月に修了考査を受験して、合格発表は4月です。

監査法人によってはシニアスタッフへの昇格がかかっていたり、周りの同期を意識したりとか、

ある意味、会計士試験よりもプレッシャーを感じるかもしれません。

上昇志向のある人は出世競争だったり、修了考査を受かったら監査法人を辞めようと考えていたり、人それぞれです。

難しくなったと言えど約半数が合格します。きちんと前もって準備していれば、おそらくはよい結果がでるのではないでしょうか。

また、私見ですが、聞いたところによりますと、公認会計士試験を上位合格されてる方はすんなりと合格しているような感じがします。

会計士試験が終わったと思ったら、3年後にまた同じようなプレッシャーを受けるというこの試験。最近「修了考査」の存在感がますます高まってきています。