機能別組織・事業部制・マトリックス組織は、公認会計士試験で「処理は覚えたが、意味がつながらない」となりやすい論点です。
組織形態は名称の定義だけでなく、『何を基準に部門を分けるか』『権限をどこまで分散するか』『専門性と事業責任をどう両立するか』で比較すると理解できます。
先に結論
機能別組織は、営業・製造・研究開発・経理など専門機能ごとに組織を分ける形です。専門知識や規模の経済を活かしやすい一方、部門間調整や全社的な成果責任が課題になりやすいです。

本記事はこんな方におすすめです。
- 機能別組織・事業部制・マトリックス組織の意味が曖昧な方
- 公式・仕訳・結論を丸暗記している方
- 本試験で迷わない考え方を身につけたい方
公認会計士監修
公認会計士試験では、結論や公式だけを覚えるより「なぜその処理・制度になるのか」を理解したほうが、初見問題や論文式にも対応しやすくなります。本記事では受験生がつまずきやすい部分を中心に、できるだけ順序立てて解説します。
機能別組織・事業部制・マトリックス組織の基本を整理
事業部制組織は、製品・地域・顧客などの事業単位ごとに必要な機能をまとめ、事業部長へ一定の権限と成果責任を委譲します。
市場変化へ迅速に対応しやすく、次世代経営者の育成にもつながる一方、各事業部で同じ機能を持つことで重複コストが生じたり、事業部最適が全社最適と衝突したりする可能性があります。
なぜそうなるのか?仕組みから理解しよう
マトリックス組織は、機能軸と事業・プロジェクト軸など二つの指揮系統を組み合わせ、専門性と事業対応を両立しようとする形です。
ただし二重の権限関係が生じるため、上司間の対立や責任の曖昧さ、調整コストが大きくなるという課題があります。
具体例で確認
まずは数字や場面を単純化して、論点の骨格だけを確認しましょう。
単一製品企業から多角化企業へ
製品数が少ない段階では営業・製造などの機能別組織が効率的でも、複数事業へ多角化し各市場の意思決定速度が重要になると、事業部制へ移行する合理性が高まる場合があります。さらに全社共通の専門人材を複数プロジェクトへ活用したい場合、マトリックス的設計が選択肢になります。
『会社が何に困って組織を変えるのか』を考えるとメリット・デメリットが自然に出ます。
公認会計士試験で押さえたいポイント
- 機能別は専門性・効率、事業部制は事業責任・分権
- マトリックスは二つの軸を併存させる
- 組織形態と戦略・環境の適合関係を考える
本試験では、知識を単独で問うだけでなく、複数論点を組み合わせて判断させることがあります。問題文の事実関係を分解し、どの論点を使うのかを先に特定することが大切です。
受験生が間違えやすいポイント
- 事業部制なら完全に独立会社になると考える
- マトリックス組織を単に部署が多い組織と考える
- メリットだけ暗記して採用条件を説明できない
ミスの多くは、似た用語を同じものとして扱ったり、計算式だけを思い出そうとしたりすると起こります。結論の前に「何を調整しているのか」を言葉にしてください。
問題を解くときの手順
- 問題文から対象となる取引・制度を特定する
- 基準となる金額・状態を置く
- 必要な調整を一つずつ加減する
- 最後に仕訳・数値・結論の整合性を確認する
この順番を固定すると、問題の見た目が変わっても処理の軸がぶれにくくなります。
暗記ではなく理解するための覚え方
3組織を『専門性』『意思決定速度』『責任明確性』『調整コスト』の4項目で比較表にしてください。
一度、自分の言葉で「なぜそうなるのか」を30秒で説明してみてください。説明できない部分が、そのまま復習すべきポイントになります。
関連論点とのつながり
組織構造、権限委譲、責任会計、コンティンジェンシー理論とつなげると経営管理論の理解が深まります。
よくある質問
事業部制とカンパニー制は同じですか?
似た分権化の発想がありますが、権限・責任範囲や社内制度の設計に違いがあります。教材の定義に従って比較してください。
マトリックス組織は優れた組織形態ですか?
どの組織形態にも長所と短所があります。複雑な環境への対応力が期待できる一方、二重命令系統や調整負担が大きくなるため、状況への適合が重要です。
受験年度の基準を確認してください
経営学は理論・計算ともに出題範囲が広いため、受験年度の出題範囲と最新教材を確認し、本記事で考え方を整理したうえで問題演習につなげてください。
まとめ
機能別組織・事業部制・マトリックス組織は、用語や公式を暗記するだけではなく、処理の目的と前後関係を理解することが得点につながります。まず基本構造を自分の言葉で説明できる状態にし、その後に問題演習で定着させましょう。
機能別組織・事業部制・マトリックス組織で迷ったら、結論を思い出す前に「何を表すための処理か」に戻るのが近道です。

