FCF・FCFF・FCFEは、公認会計士試験で「処理は覚えたが、意味がつながらない」となりやすい論点です。
FCFという言葉は文脈によって企業全体向け・株主向けを指すことがあり、割引率との対応を間違えると企業価値と株主価値がずれます。
先に結論
FCFFはFree Cash Flow to Firmの略で、負債提供者と株主の双方に帰属する企業全体のキャッシュフローとして捉えます。

- FCF・FCFF・FCFEの意味が曖昧な方
- 公式・仕訳・結論を丸暗記している方
- 本試験で迷わない考え方を身につけたい方
公認会計士監修
公認会計士試験では、結論や公式だけを覚えるより「なぜその処理・制度になるのか」を理解したほうが、初見問題や論文式にも対応しやすくなります。本記事では受験生がつまずきやすい部分を中心に、できるだけ順序立てて解説します。
FCF・FCFF・FCFEの基本を整理
FCFEはFree Cash Flow to Equityの略で、負債に関する資金調達・返済等を反映した後、株主に帰属するキャッシュフローとして捉えます。
企業全体に帰属するFCFFを割り引くなら、負債と株主資本の双方の資本コストを反映したWACCとの対応が基本です。
なぜそうなるのか?仕組みから理解しよう
株主だけに帰属するFCFEを割り引くなら、株主資本コストとの対応が基本です。
『どのCFを何で割る?』をセットで覚えれば、企業価値と株主価値の混同を防げます。FCFという略称だけで判断せず、問題文の定義を確認してください。
具体例で確認
まずは数字や場面を単純化して、論点の骨格だけを確認しましょう。
FCFFから企業価値を求める
将来FCFFをWACCで割り引いて事業価値・企業価値を求め、そこから有利子負債等を控除するなどして株主価値へ橋渡しするのが典型的な流れです。一方、FCFEを株主資本コストで割り引けば直接株主価値を考える流れになります。
CFの『受取人』と割引率の『資金提供者』を一致させてください。
公認会計士試験で押さえたいポイント
- FCFFとWACCを対応させる
- FCFEと株主資本コストを対応させる
- 企業価値から株主価値へのブリッジを理解する
本試験では、知識を単独で問うだけでなく、複数論点を組み合わせて判断させることがあります。問題文の事実関係を分解し、どの論点を使うのかを先に特定することが大切です。
受験生が間違えやすいポイント
- FCFFを株主資本コストで割り引く
- 企業価値と株主価値を同じものと考える
- 利息支払の扱いをFCFF・FCFEで混同する
ミスの多くは、似た用語を同じものとして扱ったり、計算式だけを思い出そうとしたりすると起こります。結論の前に「何を調整しているのか」を言葉にしてください。
問題を解くときの手順
- 問題文から対象となる取引・制度を特定する
- 基準となる金額・状態を置く
- 必要な調整を一つずつ加減する
- 最後に仕訳・数値・結論の整合性を確認する
この順番を固定すると、問題の見た目が変わっても処理の軸がぶれにくくなります。
暗記ではなく理解するための覚え方
紙の上に『会社全体→FCFF→WACC』『株主だけ→FCFE→株主資本コスト』の2本の線を書いて覚えましょう。
一度、自分の言葉で「なぜそうなるのか」を30秒で説明してみてください。説明できない部分が、そのまま復習すべきポイントになります。
関連論点とのつながり
DCF法、WACC、CAPM、有利子負債控除を一連の企業価値評価プロセスとして復習すると強いです。
よくある質問
FCFとFCFFは必ず同じ意味ですか?
教材や文脈によってFCFがFCFFの意味で使われることもあります。略称だけで判断せず、算式・帰属主体を確認してください。
FCFFに支払利息を引きますか?
FCFFは資金調達構成から独立した企業全体CFとして捉えるため、典型的な算式では税引後営業利益等から組み立てます。問題文の定義に従ってください。
受験年度の基準を確認してください
経営学は理論・計算ともに出題範囲が広いため、受験年度の出題範囲と最新教材を確認し、本記事で考え方を整理したうえで問題演習につなげてください。
まとめ
FCF・FCFF・FCFEは、用語や公式を暗記するだけではなく、処理の目的と前後関係を理解することが得点につながります。まず基本構造を自分の言葉で説明できる状態にし、その後に問題演習で定着させましょう。
FCF・FCFF・FCFEで迷ったら、結論を思い出す前に「何を表すための処理か」に戻るのが近道です。