種類株式9種類は、公認会計士試験で「処理は覚えたが、意味がつながらない」となりやすい論点です。
種類株式は名称を9個並べて暗記すると混乱しやすいため、『お金に関する条件』『議決権・会社支配』『株式の取得・転換』など機能別にグループ化するのがおすすめです。
先に結論
会社法は、剰余金配当、残余財産分配、議決権、譲渡制限、取得請求権、取得条項、全部取得条項、拒否権、役員選任などについて内容の異なる種類の株式を設計できる仕組みを設けています。

- 種類株式9種類の意味が曖昧な方
- 公式・仕訳・結論を丸暗記している方
- 本試験で迷わない考え方を身につけたい方
公認会計士監修
公認会計士試験では、結論や公式だけを覚えるより「なぜその処理・制度になるのか」を理解したほうが、初見問題や論文式にも対応しやすくなります。本記事では受験生がつまずきやすい部分を中心に、できるだけ順序立てて解説します。
種類株式9種類の基本を整理
まず配当・残余財産は経済的権利の違い、議決権制限や拒否権・役員選任は会社支配の違いと分けます。
譲渡制限や取得請求権・取得条項・全部取得条項は、株主が株式を保有し続けられるか、誰が取得を主導するかという観点で比較します。
なぜそうなるのか?仕組みから理解しよう
取得請求権付株式は株主側から会社へ取得を請求できる構造、取得条項付株式は一定の事由が生じたとき会社側が取得できる構造というように、主語を変えて覚えると混同が減ります。
拒否権付種類株式(いわゆる黄金株)などは、一定事項について種類株主総会の決議を要求することで会社支配に影響します。
具体例で確認
まずは数字や場面を単純化して、論点の骨格だけを確認しましょう。
取得請求権付と取得条項付を比較
『請求』という言葉が付く取得請求権付株式は、株主が会社に対して取得を求める側です。一方、取得条項付株式は、定款で定めた一定事由が生じた場合に会社が株式を取得できる仕組みです。誰がアクションを起こすかを矢印で書くと区別できます。
9個を横一列に暗記せず、目的別に3~4グループへ分けてください。
公認会計士試験で押さえたいポイント
- 9種類を経済権・支配権・取得関係で分類する
- 取得請求権と取得条項の主語を区別する
- 種類株主総会が必要となる場面とセットで学ぶ
本試験では、知識を単独で問うだけでなく、複数論点を組み合わせて判断させることがあります。問題文の事実関係を分解し、どの論点を使うのかを先に特定することが大切です。
受験生が間違えやすいポイント
- 名称だけ暗記して定款で定める内容を理解しない
- 取得条項付と全部取得条項付を混同する
- 拒否権付株式を議決権制限株式と同じだと考える
ミスの多くは、似た用語を同じものとして扱ったり、計算式だけを思い出そうとしたりすると起こります。結論の前に「何を調整しているのか」を言葉にしてください。
問題を解くときの手順
- 問題文から対象となる取引・制度を特定する
- 基準となる金額・状態を置く
- 必要な調整を一つずつ加減する
- 最後に仕訳・数値・結論の整合性を確認する
この順番を固定すると、問題の見た目が変わっても処理の軸がぶれにくくなります。
暗記ではなく理解するための覚え方
カード化するなら表面に名称、裏面に『誰が・何を・いつできるか』を一文で書くと効果的です。
一度、自分の言葉で「なぜそうなるのか」を30秒で説明してみてください。説明できない部分が、そのまま復習すべきポイントになります。
関連論点とのつながり
募集株式、定款変更、組織再編における種類株主保護とつなげると、種類株式が実際にどう機能するか理解できます。
よくある質問
9種類すべての株式を一社が発行するのですか?
必要に応じて定款で異なる内容の種類株式を設計します。9種類は会社法上設定できる内容の類型を整理したものと考えてください。
種類株主総会はいつ必要ですか?
種類株主に損害を及ぼすおそれがある行為など、会社法上要求される場面があります。各条文の要件と種類株式の内容を結び付けて確認してください。
受験年度の基準を確認してください
企業法は法改正の影響を受けます。受験年度の出題範囲・法令基準日を必ず確認し、条文番号や要件は最新の法令・受験指導校の教材で最終確認してください。
まとめ
種類株式9種類は、用語や公式を暗記するだけではなく、処理の目的と前後関係を理解することが得点につながります。まず基本構造を自分の言葉で説明できる状態にし、その後に問題演習で定着させましょう。
種類株式9種類で迷ったら、結論を思い出す前に「何を表すための処理か」に戻るのが近道です。