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【会計学|公認会計士監修】キャッシュフロー計算書の間接法|なぜ減価償却費を足し戻す?

公認会計士

キャッシュフロー計算書の間接法は、公認会計士試験で「処理は覚えたが、意味がつながらない」となりやすい論点です。

間接法では税引前当期純利益などの利益から営業キャッシュフローへ組み替えます。減価償却費を足し戻す理由は「費用だから」ではなく「利益を減らしたが、その期に現金を支出していない費用だから」です。

先に結論

間接法は、損益計算上の利益を出発点に、非資金損益や営業活動に関係する資産・負債の増減などを調整して、実際の営業キャッシュフローへ近づける方法です。

本記事はこんな方におすすめです。

  • キャッシュフロー計算書の間接法の意味が曖昧な方
  • 公式・仕訳・結論を丸暗記している方
  • 本試験で迷わない考え方を身につけたい方

公認会計士監修

公認会計士試験では、結論や公式だけを覚えるより「なぜその処理・制度になるのか」を理解したほうが、初見問題や論文式にも対応しやすくなります。本記事では受験生がつまずきやすい部分を中心に、できるだけ順序立てて解説します。

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キャッシュフロー計算書の間接法の基本を整理

損益計算書の利益と現金の増減は同じではありません。売上を計上しても売掛金ならまだ現金は入っていませんし、減価償却費を計上してもその期に現金を払っているわけではありません。

したがって間接法では、利益に含まれている「現金の動きを伴わないもの」や「営業CFとして別の調整が必要なもの」を一つずつ修正します。

なぜそうなるのか?仕組みから理解しよう

減価償却費は固定資産取得時の支出額を使用期間へ費用配分する会計処理です。当期の減価償却費100が利益を100減らしていても、当期にその100が現金流出したとは限りません。

そこで利益からキャッシュフローへ直す際、利益を減らした非資金費用100を足し戻します。足し戻すことで現金が100増えるのではなく、「利益計算で差し引いた非現金項目を取り消す」のが正確な理解です。

具体例で確認

まずは数字や場面を単純化して、論点の骨格だけを確認しましょう。

利益500・減価償却費100の単純例

他の調整を無視すると、利益500には減価償却費100の費用計上がすでに反映されています。しかし100について当期の現金流出はないため、営業CFを求める過程で100を足し戻します。ここから売掛金や棚卸資産、買掛金などの増減をさらに調整します。

「足す=キャッシュイン」ではありません。この誤解をなくすだけで間接法の符号ミスがかなり減ります。

公認会計士試験で押さえたいポイント

  • 非資金費用は利益への影響を取り消すこと
  • 売掛金増加は未回収なので営業CFを減らす方向であること
  • 買掛金増加は未払いが増えたため営業CFを増やす方向であること

本試験では、知識を単独で問うだけでなく、複数論点を組み合わせて判断させることがあります。問題文の事実関係を分解し、どの論点を使うのかを先に特定することが大切です。

受験生が間違えやすいポイント

  • 増加・減少という言葉だけで符号を暗記する
  • 減価償却費の足し戻しを現金収入と考える
  • 投資CF・財務CFに分類すべき項目を営業CFへ混ぜる

ミスの多くは、似た用語を同じものとして扱ったり、計算式だけを思い出そうとしたりすると起こります。結論の前に「何を調整しているのか」を言葉にしてください。

問題を解くときの手順

  1. 問題文から対象となる取引・制度を特定する
  2. 基準となる金額・状態を置く
  3. 必要な調整を一つずつ加減する
  4. 最後に仕訳・数値・結論の整合性を確認する

この順番を固定すると、問題の見た目が変わっても処理の軸がぶれにくくなります。

暗記ではなく理解するための覚え方

間接法は「利益を現金ベースへ翻訳する表」と考えてください。資産が増えたら現金を使っていることが多い、負債が増えたら支払いを先送りしていることが多い、という経済的意味から符号を判断します。

一度、自分の言葉で「なぜそうなるのか」を30秒で説明してみてください。説明できない部分が、そのまま復習すべきポイントになります。

関連論点とのつながり

運転資本、フリー・キャッシュ・フロー、直接法との違いまでつなげると、CF計算書全体を体系的に理解できます。

よくある質問

減損損失も足し戻しますか?

非資金費用として利益を減らしている項目は、キャッシュフローへの組替えで調整対象となります。ただし問題文の区分・表示方法に従ってください。

売掛金が減ったらなぜプラスですか?

過去に売上計上した債権が回収され、利益計算以上に現金が入っている方向だからです。残高増減を現金回収・支払の言葉に置き換えると判断できます。

受験年度の基準を確認してください

会計基準や出題範囲は改訂されることがあります。受験年度の出題範囲と最新教材を優先し、本記事は論点の「考え方」を理解する補助として利用してください。

まとめ

キャッシュフロー計算書の間接法は、用語や公式を暗記するだけではなく、処理の目的と前後関係を理解することが得点につながります。まず基本構造を自分の言葉で説明できる状態にし、その後に問題演習で定着させましょう。

キャッシュフロー計算書の間接法で迷ったら、結論を思い出す前に「何を表すための処理か」に戻るのが近道です。