日商簿記3級対策~「精算表の記入方法」~
今回は「精算表の記入方法」について解説していきます。
精算表の記入方法について
今回は、精算表の記入方法について説明します。
具体的な記入方法を説明します。
精算表への記入方法
①試算表欄への記入
最初に「試算表欄」への記入から始めます。
試算表の残高は、決算整理を行う前の残高です。
まずは「試算表」から「精算表」の試算表欄へ転記します。
試算表の勘定科目と残高を転記するだけですので難しくはありません。
記入し終わったら、試算表欄の貸方・借方の合計金額が一致する事を確認します。
②修正記入欄への記入
次に「修正記入」欄を記入していきます。
ここがある意味精算表のメイン部分になります。試験でもよく出題される部分です。
決算整理の仕訳の結果を修正記入欄へ記入していきます。
一つ取引例を使って説明していきます。
例えば、売上原価の算定の決算整理仕訳が以下のようになっているとします。
(借)仕入 50,000 | (貸)繰越商品 50,000 |
繰越商品 40,000 | 仕入 40,000 |
上の仕訳を確認します。
期首にあった在庫(繰越商品)が50,000円分でした。期末の在庫(繰越商品)を数えたら40,000円分残っていたという意味です。
これを精算表へ記入すると、以下のようになります。
修正記入欄へ、上記の仕訳どおりに金額を記入。
試算表欄の金額からその修正分を足したり引いたりした金額を、右側の損益計算書欄もしくは貸借対照表欄へ記入していきます。
繰越商品は「資産」ですので貸借対照表です。
仕入は「費用」ですので損益計算書です。
他にも、例えば、減価償却費、未収収益、未払費用など同じように修正記入欄へ金額を記入し、試算表欄の金額からその修正分を差引した金額を、損益計算書欄または貸借対照表欄へ記入していきます。
試算表の時点では存在しなかった科目が決算整理で新しく出現することもあります。その場合も勘定科目を下に追加していきます。
修正記入欄を記入後は、修正記入欄の貸方・借方の合計金額が一致する事を確認してください。
③当期純利益または純損失の記入
修正記入欄、損益計算書欄、貸借対照表欄へ金額の記入が全て終わったら、次は当期純利益または純損失の計算です。
まず損益計算書欄の借方、貸方の合計金額を求めます。借方と貸方の合計金額の差額を算定します。
次に同じように貸借対照表欄の借方、貸方の合計金額を求めます。同じく借方と貸方の合計金額の差を算定します。
この両者の差額は、必ず同じ金額になります。一致しなければ、どこかに間違いがあります。金額が一致するようでしたら、損益計算書欄、貸借対照表欄の少ない側に、その差額の金額を記入。
この差額の勘定科目は、「損益計算書欄の借方、貸借対照表欄の貸方側」 へ金額を入れた場合は「当期純利益」、逆の場合は「当期純損失」という勘定科目になります。
当期純利益の場合
当期純損失の場合
金額が一致することを確認したら、精算表を締め切って完成となります。
学習のポイント(実務小話)
今回は、精算表への記入方法について解説しました。
図表を用いて説明しましたが、実際に作成してみることが一番です。文章での説明はわかりにくいこともあるでしょう。
記入のルールはシンプルです。
問題を解いていて、損益計算書と貸借対照表の利益の金額がぴったり一致するとうれしいものですね。
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