日商簿記3級対策~「仕訳の転記(T勘定の使い方)」~
今回は「仕訳の転記(T勘定の使い方)」について解説していきます。
仕訳の転記(T勘定の使い方)について
今回は、仕訳の転記(T勘定の使い方)について説明します。
仕訳の転記とは?
簿記では、毎日の取引を「仕訳」として記録していきます。
この仕訳を記入する帳簿を「仕訳帳」といいます。
仕訳帳は仕訳を順番に記入する帳簿なので、ある日にどのような取引が発生したのかを見るには有益ですが、ある勘定科目、例えば「現金」は今どれだけあるのか?という情報を見るのには適していません。
そこで、仕訳帳へ「仕訳」を記帳した後にさらに、勘定科目ごとに情報を整理して総勘定元帳へ記帳しておきます。
これを「転記」といいます。
まとめると以下の様になります。
②日付ごとに「仕訳帳」に記入する。
③仕訳帳に記載されている仕訳を「総勘定元帳」へ転記 する。
この「転記」作業は、簿記試験では「T勘定」を使います。
集計問題などで「T勘定」が使えると速く正確に問題を解けるようになります。
「T勘定」の使い方
それでは「T勘定」を使った転記方法を説明していきます。
「T勘定」の使い方をマスターしておくことで、簿記の問題を解くスピードが格段にアップしますのでぜひこの機会にマスターしておきましょう。
T勘定(Tフォーム)とは、アルファベットの「T」のような形をした表です。
例えば、現金のT勘定は以下のようになります。
転記の方法
仕訳例を使って「T勘定」に仕訳を転記をしてみましょう。
6/1に以下の取引があった。
(借) 仕入 3,000 | (貸) 現金 3,000 |
上記の仕訳を、転記してみましょう。
T勘定は以下のようになります。
使用する勘定科目は「現金」と「仕入」です。
「現金」勘定と「仕入」の勘定に転記します。
各勘定科目のT勘定には以下の3つを記入。
①日付
②相手側の勘定科目
③金額
この「相手側の勘定科目を記入する」というところが最初は難しいと思います。
理解の仕方としては「増減の理由が書かれている」と理解しましょう。
例えば、現金の貸方に「仕入3000」とありますが、これは仕入れによって現金が3,000減ったという風に読みます。
相手側の勘定科目が2つある場合
では、少し応用編です。
転記の際のルールとして、相手側の勘定科目が2つ以上ある場合は「諸口」と記入。
これも仕訳例を使って説明します。
6/1に以下の取引があった。
(借)仕入 5,000 | (貸)現金 3,000 |
買掛金 2,000 |
T勘定は以下のようになります。
仕入の相手側の勘定科目は「現金」「買掛金」と二つ記入したいところですが、上記のように「諸口」と記入。
勘定の残高
T勘定をまとめることでその勘定科目の残高が分かります。
例えば、現金を例にして説明します。
以下のようなT勘定があったとします。
借方(左側)の合計金額が、17,000円となります。
貸方(右側)の合計金額が、7,000円となっています。
差額で現金の残高は10,000円となります。
このように簿記の試験問題を解く上で、勘定科目残高を算出する方法でよく使いますので、T勘定の使い方に慣れておきましょう。
学習のポイント(実務小話)
今回は、仕訳の転記(T勘定の使い方)について解説しました。
簿記の試験問題では、いくつもの取引や仕訳を積み重ねていく総合問題という形式が出題されます。
その時は、どの科目の取引がどれだけあって、残高がいくらになるということをすべて覚えていられないので、T勘定を自分で書いて、そこにまとめていくという解き方をします。
試験中、一つ一つの仕訳を覚えていなくても、正しくT勘定さえ作成できていれば、正解の残高も導き出すことができます。
取引データをうまく整理するテクニックが身に着けば、解答速度は飛躍的にスピードアップします。
これこそが簿記の技術です。
それらの集計作業は、経理実務では会計ソフトが全てやってくれるわけですが、それは言わない約束です。
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