日商簿記3級対策~科目別解説「例題解説:前払費用・前受収益」~
今回は「例題解説:前払費用・前受収益」について説明していきます。
例題解説:前払費用・前受収益
「前払費用・前受収益」の例題を解いてみましょう。
問題
次の取引を仕訳しなさい。
①支払保険料のうち、20,000円は翌期の期間に対応するものであった。
②受取利息のうち、2,000円は翌期の期間に対応するものであった。
③支払家賃1,200,000円は、10月1日に1年分を支払ったものである。なお、決算日は3月31日である
④受取家賃1,200,000円は、10月1日に1年分を受け取ったものである。なお、決算日は3月31日である。
解答
①(借)前払保険料 20,000 | (貸)支払保険料 20,000 |
②(借)受取利息 2,000 | (貸)前受利息 2,000 |
③(借)前払家賃 600,000 | (貸)支払家賃 600,000 |
④(借)受取家賃 600,000 | (貸)前受家賃 600,000 |
解説
①(借)前払保険料 20,000 | (貸)支払保険料 20,000 |
「前払保険料」という資産が増えたため借方(左側)に記入。
「支払保険料」という費用が減ったため貸方(右側)に記入。
②(借)受取利息 2,000 | (貸)前受利息 2,000 |
「受取利息」という収益が減ったため借方(左側)に記入。
「前受利息」という負債が増えたため貸方(右側)に記入。
③(借)前払家賃 600,000 | (貸)支払家賃 600,000 |
「前払家賃」という資産が増えたため借方(左側)に記入。
「支払家賃」という費用が減ったため貸方(右側)に記入。
月から翌年の3月までの6ヶ月分が当期の費用です。
1,200,000円の半分の6ヶ月分の600,000円は翌期の費用のため「前払家賃」となります。
④(借)受取家賃 600,000 | (貸)前受家賃 600,000 |
「受取家賃」という収益が減ったため借方(左側)に記入。
「前受家賃」という負債が増えたため貸方(右側)に記入。
家賃を受け取る側の仕訳です。
③と同じで、翌期分の金額は600,000円です。
学習のポイント(実務小話)
前払費用・前受収益の処理の例題を解説しました。
繰り延べ、見越しという言葉は、簿記3級では問題文に使用されなくなりましたが、相変わらず資産なのか負債なのか最初は混乱するところでもあります。
前払や前受の代表格は、保険料や家賃です。
前払費用、前受収益などの経過勘定は最初は難しいかもしれませんが、慣れで学習していくうちに自然にわかるようになります。
最初は形式的に覚えてみるのもよいかもしれません。
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