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【経理実務へ役立つ】社会人のための簿記3級講座~科目別解説「例題解説:為替手形」~【独学で簡単に理解】

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日商簿記3級対策~科目別解説「例題解説:為替手形」~

今回は「例題解説:為替手形」について説明していきます。

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こんにちは、ゆきじろうです。
簿記学習を社会人から知識ゼロで始めて公認会計士になりました。
複式簿記は人類最高の発明の一つと言われます。
簿記は決算書が読めたり経営が分かるようになったり決して無駄にはなりません。簿記には人生を変える力があります。一人でも簿記を好きになる人が増えればいいなと思い簿記が好きになるような解説を心がけていきます。

例題解説:為替手形

「為替手形」の例題を解いてみましょう。

問題

次の取引を仕訳しなさい。

①会社Aは、会社Bに対する買掛金20,000円を支払う為、売掛金のある会社Cを名宛人とする為替手形を、会社Cの引き受けを得て、振り出した。(会社Aにおける仕訳)

②会社Dは、買掛金のある会社Eから同店振り出し、会社Fを指図人とする為替手形40,000円を呈示されたので、引き受けた。(会社Dから見た仕訳)

③会社Gは、会社Hに商品50,000円を売り上げ、代金は、会社H振り出し、会社I引き受けの為替手形を受け取った。(会社Gから見た仕訳)

④会社Jは、以前受け取った会社K振り出し、会社L引き受けの為替手形30,000円が満期日を迎えたため、現金で決済された。(会社から見た仕訳)

⑤会社Mは、以前引き受けた会社N振り出し、会社Oを指図人とする為替手形60,000円が満期日を迎えたため、小切手を振り出して決済した。(会社Mから見た仕訳)

解答

①(借) 買掛金 20,000 (貸) 売掛金 20,000
②(借) 買掛金 40,000 (貸) 支払手形 40,000
③(借) 受取手形 50,000 (貸) 売上 50,000
④(借) 現金 30,000 (貸) 受取手形 30,000
⑤(借) 支払手形 60,000 (貸) 当座預金 60,000

解説

①(借) 買掛金 20,000 (貸) 売掛金 20,000

「買掛金」という負債が減ったため借方(左側)に記入。
「売掛金」という資産が減ったため貸方(右側)に記入。

振出人(手形作成者、差出人)=手形を振り出した人(お金は支払わない)
受取人(指図人)=手形を受け取った人(お金を受け取る人)
支払人(名宛人、引受人)=手形を引き受けた人(お金を支払う人)

振出人=会社A
受取人(指図人)=会社B
支払人(名宛人)=会社C

会社Aは、為替手形の振出人(手形作成者)となります。

自分の借金を貸しがある先に代わりに払ってもらうということです。

②(借) 買掛金 40,000 (貸) 支払手形 40,000

「買掛金」という負債が減ったため借方(左側)に記入。
「支払手形」という負債が増えたため貸方(右側)に記入。

振出人(手形作成者、差出人)=手形を振り出した人(お金は支払わない)
受取人(指図人)=手形を受け取った人(お金を受け取る人)
支払人(名宛人、引受人)=手形を引き受けた人(お金を支払う人)

振出人=会社E
受取人(指図人)=会社F
支払人(名宛人)=会社D

複雑ですが、ゆっくり確認していきましょう。

会社Dは、為替手形を引き受けてますので、支払人(名宛人)です。実際にお金を支払う人です。

受取人(指図人)会社Fに対する「支払手形」という負債が発生します。

その代わりに、振出人Eに対する買掛金が減ります。

③(借) 受取手形 50,000 (貸) 売上 50,000

「受取手形」という資産が増えたため借方(左側)に記入。
「売上」という収益が増えたため貸方(右側)に記入。

振出人(手形作成者、差出人)=手形を振り出した人(お金は支払わない)
受取人(指図人)=手形を受け取った人(お金を受け取る人)
支払人(名宛人、引受人)=手形を引き受けた人(お金を支払う人)

振出人=会社H
受取人(指図人)=会社G
支払人(名宛人)=会社I

会社Gの立場からしますと、会社Hに商品を売った代金をどのように回収するかというと、会社Iが支払いますという手形を受け取った。つまり「受取手形」が増加するということになります。

④(借) 現金 30,000 (貸) 受取手形 30,000

「現金」という資産が増えたため借方(左側)に記入。
「受取手形」という資産が増えたため貸方(右側)に記入。

振出人(手形作成者、差出人)=手形を振り出した人(お金は支払わない)
受取人(指図人)=手形を受け取った人(お金を受け取る人)
支払人(名宛人、引受人)=手形を引き受けた人(お金を支払う人)

振出人=会社K
受取人(指図人)=会社J
支払人(名宛人)=会社L

会社Jが持っていた受取手形が現金になったという仕訳です。これはあまり誰が指図人でと、意識しなくてもいい問題ですね。

⑤(借) 支払手形 60,000 (貸) 当座預金 60,000

「支払手形」とい負債が減ったため借方(左側)に記入。
「当座預金」という資産が減ったため貸方(右側)に記入。

振出人(手形作成者、差出人)=手形を振り出した人(お金は支払わない)
受取人(指図人)=手形を受け取った人(お金を受け取る人)
支払人(名宛人、引受人)=手形を引き受けた人(お金を支払う人)

振出人=会社N
受取人(指図人)=会社O
支払人(名宛人)=会社M

会社Mは、引き受けていた為替手形のお金を支払います。

小切手を振り出したので「当座預金」から「支払手形」を支払っています。

学習のポイント(実務小話)

為替手形の処理の例題を解説しました。

回答で何度も登場していますが以下の3者を理解して覚えておけば大丈夫です。

振出人(手形作成者、差出人)=手形を振り出した人(お金は支払わない)
受取人(指図人)=手形を受け取った人(お金を受け取る人)
支払人(名宛人、引受人)=手形を引き受けた人(お金を支払う人)

例えば、指図人は、お金を受け取るように指示された人、名宛人は振出人がお金を支払うようにお願いする宛先という風に理解してみてはいかがでしょうか。

振出人は何となくわかりますが、指図人って何する人だっけ?名宛人って何する人だっけ?ということ混乱しがちですが、指図人、名宛人のどちらか一方を完ぺきに覚えておけば、もう片方も導きだせます。

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