日商簿記3級対策~科目別解説「売上原価②(分記法)」~
今回は「売上原価②(分記法)」について解説していきます。
2021年より分記法は範囲外になりました。
売上原価②(分記法)について
売上原価を求める仕訳の方法として、三分法を学習しました。
今回は、分記法を説明します。
2021年から範囲外となりましたが、2級以降進んでいくのに参考になるのではと思って残しておきます。3級受験者で興味のある方は読み物と思って読み流していただければと思います。
分記法を使った仕訳について
分記法とは
分記法は2つの勘定科目を使って処理する方法です。
商品売買の取引を「商品」「商品売買益」の2つの勘定科目を使って処理します。
三分法は、「売上」「仕入」「繰越商品」の3つでした。比較的イメージしやすい方法です。分記法は、少し想像力が必要です。
キーになる勘定科目は「商品」です。
これで「売上」も「仕入」も処理していきます。イメージとしては「売上」はプラスの「商品」でカウント、「仕入」はマイナスの「商品」でカウントしていって、差額が「商品売買益」となります。
通常は「売上」の方が金額大きいですから、その差額が利益となるイメージです。
具体的に仕訳をみていきましょう。
①仕入れた時
以下の例で説明します。
まずは商品の仕入れです。
「単価100円の商品10個を仕入れ、代金は掛けとした。」
(借)商品 1,000 (貸)買掛金 1,000
「商品」という「資産」が増えたため借方(左側)へ記入。
「買掛金」という「負債」が増えたため貸方(右側)へ記入。
次に商品の売上です。
「原価100円の商品10個を、120円で売上げ、代金は掛けとした。」
(借)売掛金 1,200 | (貸)商品 1,000 |
商品売買益 200 |
「商品」という「資産」が減ったため貸方(右側)へ記入。
「売掛金」という「資産」が増えたため借方(左側)へ記入。
「商品売買益」という「収益」が増えたため貸方(右側)へ記入。
原価100円の商品10個を、一つ120円の計1,200円で売っています。結果として、200円の得をしており、これは「商品売買益」で処理します。
期末に残っている「商品」があれば、その金額が、次期への繰越す商品の金額になります。
学習のポイント(実務小話)
今回は、売上原価②(分記法)について解説しました。
分記法は難しいと思います。
最初は理解しにくいと思います。
多くの企業では三分法を使っていることもあり、試験範囲から除かれました。
ただ、簿記の考え方としてはおもしろいところだと思いますので、知っておいて損はない考え方だと思います。
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