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【経理実務へ役立つ】社会人のための簿記3級講座~科目別解説「売上原価①(三分法)」~【独学で簡単に理解】

簿記検定
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日商簿記3級対策~科目別解説「売上原価①」~

今回は「売上原価①」について解説していきます。

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こんにちは、ゆきじろうです。
簿記学習を社会人から知識ゼロで始めて公認会計士になりました。
簿記は決算書が読めたり経営が分かったり決して無駄にはなりません。簿記には人生を変える力があります元銀行員で経理経験もありますので実務の話も交えつつ、簿記の理解が深まり簿記が好きになるような解説を心がけていきます。

売上原価①について

「売上原価」とは、今期に「売り上げた商品の合計額」の「仕入額の合計額」をいいます。

例えば、当期に1個100円の商品50個、計5,000円分の商品を仕入れ、そのうち30個、3,000円分を売上たとすると、3,000円が「売上原価」、2,000円が次期へ持ち越す「繰越商品」となります。

売上高に対応する売上原価を差し引くと、利益(売上総利益)を求めることができます。

つまり簡単に言えば、売った値段から買った値段を引いて残ったのが利益ということです。

売上原価の仕訳について

三分法とは

まず、商品売買の売上原価で必ず出てくる用語「三分法」について説明します。

簡単ですので、あまり難しく考える必要はないです。

「三分法」とは、仕訳の方法です。

何を3つに分けるのかというと、「商品売買」に関する取引を3つに分けます。

「仕入」「売上」「繰越商品」の3つです。

この3つの勘定科目を使って商品売買の取引を処理する方法を「三分法」と言います。

次から順番にに仕訳を解説していきます。

「繰越商品」は、「資産」となります。
決算時に売れ残っている商品を「繰越商品」とします。

売上原価を求める2つの方法

売上原価を求める仕訳は2通りの仕訳方法があります。

①勘定科目「仕入」で算定する方法

②勘定科目「売上原価」で算定する方法

売上原価で算定する方法は、仕入勘定で処理する方法の理解がベースになります。最初は仕入勘定で処理する方法の方が最初に覚えるのにおすすめです。

①勘定科目「仕入」で算定する方法

以下の例で説明します。

「仕入」で算定する方法は、売上原価を求める場所が「仕入」勘定になります。「仕入」=「売上原価」なので「売上原価」で算定する方法よりも、こちらの方がシンプルです。

「期首商品棚卸高500円、当期仕入高2,000円、期末商品棚卸高600円」

まず前期の売れ残り商品である「繰越商品」を「仕入」に振り替えます。「期首商品棚卸高」が、前期の売れ残り商品で「繰越商品」500です。

これは前期でいったん「売上原価」から除いておいた売れ残り商品を、再び「仕入」勘定に戻す処理になります。

(借)仕入 500 (貸)繰越商品 500

「仕入」という「費用」が増えたため借方(左側)へ記入。
「繰越商品」という「資産」が減ったため貸方(右側)へ記入。

次に、期末に売れ残っている商品を「繰越商品」に振り替えます。

「期末商品棚卸高」が、当期の売れ残り商品の「繰越商品」600になります。

これは当期の売れ残り商品を「仕入」から除いて「繰越商品」勘定へ置いておく処理になります。

(借)繰越商品 600 (貸)仕入 600

「仕入」という「費用」が減ったため貸方(右側)へ記入。
「繰越商品」という「資産」が増えたため借方(左側)へ記入。

勘定科目「売上原価」で算定する場合

次に売上原価で算定する場合を説明します。

売上原価で算定する方法は、売上原価を求める場所が「売上原価」勘定になります。

この場合は、まず前期に売れ残っている「繰越商品」を「売上原価」に振り替えます。

「期首商品棚卸高」が、前期の売れ残り商品の「繰越商品」で500円です。

(借)売上原価 500 (貸)繰越商品 500

「売上原価」という「費用」が増えたため借方(左側)へ記入。
「繰越商品」という「資産」が減ったため貸方(右側)へ記入。

次は、当期仕入高分の「仕入」を「売上原価」に振り替えます。「仕入」勘定で売上原価を算定する方法にはなかった仕訳です。今回は「売上原価」勘定で売上原価を求めるのでそちらへ移動させます。

当期仕入は2,000円ですので、以下のような仕訳になります。

(借)売上原価 2,000 (貸)仕入 2,000

「売上原価」という「費用」が増えたため借方(左側)へ記入。
「仕入」という「費用」が減ったため貸方(右側)へ記入。

そして、期末に売れ残っている商品を「繰越商品」に振り替えます。
「期末商品棚卸高」が、当期の売れ残り商品の「繰越商品」で、600円です。

(借)繰越商品 600 (貸)売上原価 600

「売上原価」という「費用」が減ったため借方(右側)へ記入。
「繰越商品」という「資産」が増えたため貸方(左側)へ記入。

さらに説明する内容がありますが「売上原価②」で説明します。

学習のポイント(実務小話)

今回は、売上原価①について解説しました。

最初は理解がなかなか難しい、売上原価の期末処理です。

私も簿記を学習し始めた時につまづきました。

上記の例で説明すれば

もともと最初に500円商品が残っていました。

2,000円分仕入れました。全部で仕入れた商品は合計2,500円の商品です。

期末の決算日になったら600円分残っていました。

では売れた商品(原価)は、2,500円-600円=1,900円です。

ということで、売上原価は1,900円ですと求めることができます。

小学生レベルの計算ですが、これを仕訳で表すとどうしても難しくなってしまいます。

最初の覚え方として、簿記の先生から教えてもらったのが

仕繰繰仕(しーくりくりしー)です。

仕入/繰越商品

繰越商品/仕入

この仕訳を反射的に切りなさいとそうすれば売上原価は求まりますと教わりました。

最初はこのような「型」で覚えるのもよいと思います。

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