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【経理実務へ役立つ】社会人のための簿記3級講座~科目別解説「未払費用(費用の見越し)」~【独学で簡単に理解】

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日商簿記3級対策~科目別解説「未払費用(費用の見越し)」~

今回は「未払費用(費用の見越し)」について解説していきます。

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こんにちは、ゆきじろうです。
簿記学習を社会人から知識ゼロで始めて公認会計士になりました。
簿記は決算書が読めたり経営が分かったり決して無駄にはなりません。簿記には人生を変える力があります元銀行員で経理経験もありますので実務の話も交えつつ、簿記の理解が深まり簿記が好きになるような解説を心がけていきます。

未払費用(費用の見越し)について

未払費用(費用の見越し)について説明します。

見越しという意味は「前倒し」にニュアンスが近いです。

つまり、当期の費用を「見越して」早めに計上するというような意味になります。

例えば、3月末決算の会社で、1月1日にお金を借りたとします。その利息は、1年後にまとめて1年分支払うという事になっているとします。

決算日の3月31日時点の利息の状態を考えてみます。

まだ3月31日時点では、利息を実際には支払っていませんが、1月1日~3月31日までの3か月分の利息はすでに発生していると考えられます。

まだ支払っていないけど、すでに経過した期間の発生している利息分は、発生した期間の利息として計上する必要があります。

これを「費用の見越し」計上といいます(簿記3級では2019年から繰延べ・見越しという表現は使わないこととなりました)。

これらは「未払費用」の勘定科目として計上されます。後で払わなくてはいけない借金のようなものなので「負債」となります。

家賃なら「未払家賃」、利息なら「未払利息」等の勘定科目を使います。問題から適切な勘定科目を選びましょう。

未払費用(費用の見越し)の仕訳について

未払費用(費用の見越し)の計上が必要な場面は決算の時になります。

お金を借りた時点など、決算期に「未払費用」が発生する取引を行った時点では、まだ実際にお金を支払っておらず、未払いの金額も確定していないので仕訳はありません。

決算時の仕訳

以下の例で説明します。

「決算日が3月31日の会社で、1月1日に200,000円を借り入れた。なお、利息は1年後にまとめて支払う事としており、利息は月200円である。」

(借)支払利息 600 (貸)未払利息 600

3ヶ月分が当期の決算までにすでに発生している利息なので、600円となります。

「支払利息」という「費用」が増えたため借方(左側)へ記入。
「未払利息」という「負債」が増えたため貸方(右側)へ記入。

学習のポイント(実務小話)

今回は、未払費用(費用の見越し)について解説しました。

前払費用、未収収益、未払費用、前受収益の4つを経過勘定といいます。

未払費用は、まだお金を払ってないけど、すでに費用として発生してしまっているものです。

支払はまだだけど、もう一部の期間は経過して費用としては発生しているはずだというものが計上されます。

このように、本来あるべき正しい期間にあるべき金額を計上することを、期間帰属の適切性と言います。

簿記においては大変重要な考え方です。

期間帰属を自由にできてしまうと、「今年は業績が悪いから、この費用は来年に計上しよう」というようなことになり、決算の粉飾(ふんしょく)につながってしまいます。

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