日商簿記3級対策~科目別解説「販売諸掛り」~
今回は「販売諸掛り」について解説していきます。
(2021年改正により範囲外となりました。)
販売諸掛りについて
販売諸掛りの代表的なものは送料です。
商品を販売する時に、それに関わる送料、運送料などを販売した側で負担する。
このような売上に関わる費用を販売諸掛りといいます。
仕入のときの費用である「仕入諸掛り」は、勘定科目としては仕入として扱いましたね。
販売諸掛りの仕訳について
販売諸掛りが当方負担の場合
以下の例で説明します。
「商品3,000円を掛けで売上げ、当店負担の発送運賃300円を現金で支払った。」
(借) 売掛金 3,000 | (貸) 売上 3,000 |
発送費 300 | 現金 300 |
「売掛金」という「資産」が増えたため借方(左側)へ記入。
「売上」という「収益」が増えたため貸方(右側)へ記入。
「発送費」という「費用」が増えたため借方(左側)へ記入。
「現金」という「資産」が減ったため貸方(右側)へ記入。
「発送費」は「費用」です。
売った側が負担した発送運賃は「発送費」という勘定科目で処理します。販売諸掛りとして出てくる勘定科目は、この「発送費」が主となります。
販売諸掛りが相手負担の場合
先ほどの例の発送運賃が相手側負担の場合を説明します。
(借) 売掛金 3,000 | (貸) 売上 3,000 |
立替金 300 | 現金 300 |
「発送費」の部分が「立替金」に変わりました。問題文で指定されている勘定科目の選択肢に「立替金」がない場合は「売掛金」を使います。
「立替金」という「資産」が増えたため借方(左側)へ記入。
「立替金」は、あとで相手からお金をもらうので「資産」です。
学習のポイント(実務小話)
今回は、販売諸掛りについて解説しました。
仕入諸掛りの場合は、仕入れに含めて処理しましたが、販売諸掛りについては、「発送費」などの費用科目で処理するところがポイントです。
純粋な売上とは別で計上するというところに注意が必要です。
日常でも送料を売主と買主のどちらが負担するかという問題は常についてまわります。
例えばネット通販で「いくら以上購入すると送料無料」というようなケースがよくあります。
ある程度購入して送料を無料にした場合、ネット通販の会社側では販売諸掛りの会計処理が行われています。
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