日商簿記3級対策~科目別解説「未収金・未払金」~
今回は「未収金・未払金」について解説していきます。
未収金と未払金について
まず「未収金・未払金」と「売掛金・買掛金」の違いをおさえることが重要です。
商品を売った時にまだもらってないお金を「売掛金」、商品を仕入れた時にまだ払っていないお金を「買掛金」といいます。
一方、未収金、未払金とは、まだもっらってないお金、まだ払ってないお金ですが、商品売買以外の未収、未払の場合に使用します。
商品売買以外というところが重要です。
例えば、代表的なのは建物などの固定資産を買った場合や売った場合です。
未収金・未払金の仕訳について
未収金、未払金の仕訳を以下の項目で説明します。
①何かを売却し、お金は後払いとした。
②後払いとしていたお金をもらった。
③何かを購入し、お金は後払いとした。
④後払いとしていたお金を払った。
未収金は「資産」です。後々もらえるお金なだからです。売掛金同じです。
未払金は「負債」です。後々払わなければならない借金だからです。買掛金と同じです。
①何かを売却し、お金は後払いとした。
まず未収金です。以下の例で説明します。
「建物3,000,000円を売却し、代金は月末に受け取る事とした。」
(借) 未収金 3,000,000 (貸) 建物 3,000,000
「建物」という「資産」が減ったため貸方(右側)へ記入。
「未収金」という「資産」が増えたため借方(左側)へ記入。
建物は固定資産であり、商品売買以外のため未収金を使います。
建物を売った場合、減価償却なども関係してきますがここでは省略します。
②後払いとしていたお金をもらった。
以下の例で説明します。
「建物代金の未収分3,000,000円を当座預金口座を通じて受け取った。」
(借) 当座預金 3,000,000 (貸) 未収金 3,000,000
「未収金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入。
「当座預金」が増えた⇒「資産」が増えた⇒左側へ記入。
未収入金を回収したら、貸方に未収金で取り崩します。
③何かを購入し、お金は後払いとした。
次は未払金です。以下の例で説明します。
「建物4,000,000円を購入し、代金は月末に支払うこととした。」という仕訳は以下のようになります。
(借) 建物 4,000,000 (貸) 未払金 4,000,000
「建物」が増えた⇒「資産」が増えた⇒左側へ記入。
「未払金」が増えた⇒「負債」が増えた⇒右側へ記入。
建物は固定資産であるため、買掛金を使わず未払金とします。
④後払いとしていたお金を払った。
以下の例で説明します。
「建物代金の未払分4,000,000円を、小切手を振り出して支払った。」
(借) 未払金 4,000,000 (貸) 当座預金 4,000,000
「未払金」が減った⇒「負債」が減った⇒左側へ記入。
「当座預金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入。
小切手での支払いは当座預金の減少でしたね。
学習のポイント(勉強の仕方)
今回は、未収金・未払金について解説しました。
もっとも注意が必要なのは、商品売買以外は未収金・未払金を使うということです。
売掛金・買掛金としてしまうと得点を落としてしまいます。
イメージとしては、その会社の本業の場合は、売掛金・買掛金、それ以外は未収金・未払金を使うという分け方をします。例えば、物を売る会社であれば、物品の売上は売掛金・買掛金、それ以外は未収金・未払金です。
「買掛金」「売掛金」か「未収金」「未払金」どちらを使えばいいのか、しっかり判別できるようにしておきましょう。