公認会計士試験の短答式試験にはコツがある
公認会計士試験の短答式試験を合格するにはコツがあります。
知識0の状態から勉強を始め、専念受験生に引けを取らない成績で合格。
得意科目は会計学で、論文式試験では偏差値60越え、上位10%以内の成績でした。
同じ知識量があっても受験のコツを知っているか知らないかで点数に差が付きます。
突破率も違ってきます。
短答式試験は以下のような特徴があります。
・1科目の試験時間もそう長くない
・問題数も財務会計論以外は20問程度であまり多くない
・出題範囲も論文式よりも絞られている
試験はある程度パターン化されているので、そのようなものには必ず攻略法があるのです。
今回は私自身の受験経験から得た公認会計士試験の短答式試験の攻略のポイントを紹介します。
全般的なポイントと科目別の攻略ポイントに分けて説明します。
ご参考になれば幸いです。
短答式試験全般の攻略ポイント
各試験科目の内容に入る前に、短答式試験の全般的な攻略ポイントについて書いてみます。
試験実施は年2回
短答試験は、12月と5月の年2回実施されています。
論文式試験は8月です。
まず、どちらの回で合格を目指すのかということです。
合格の狙いを定めるのは12月試験がおすすめです。
その理由は2つあります。
会計士試験全体の日程
一つは、試験全体の日程です。
12月試験に合格すれば、論文式試験まで9ヶ月の期間がありますが、5月試験だと論文式試験まで3ヶ月しかありません。
どんなに時間がある人でも3ヶ月で論文式試験の対策をやりきるのは厳しいです。
ですから、12月試験に合格する方がその後の論文式試験の合格率も高まります。
試験の受験生
もう一つは試験の受験生です。
まず12月試験は受験者数も多いが合格者も多いです。
そしてその中には、短式免除者が含まれています。多くの短答式免除者はやはりあまり本気で対策する意欲は低いと考えられます。
もちろんはっきりしたことは言えませんが、受かりやすいのは12月試験のようです。
一方、5月試験の方は、イメージとしては合格者数の調整弁のようにも感じます。
試験当日について
試験当日の行動についての攻略ポイントです。
1つ2つのマークミスが合否を分けたりしますので、意外と重要だと思います。
実力があって余裕で合格できる人は大丈夫ですが。
持ち物
まずは持ち物を確認します。
受験票
電卓
筆記用具
腕時計
ホチキスはお好みです。
腕時計を忘れると時間が計れません。必ず持っていきましょう。
着席時間
できる人は早く来ている、気がします。
電車が遅れるかもしれませんし。
トイレにもゆっくり行けるし。
お昼は買っておくのがよいと思います。
そして、夕方、財務会計論前に軽食をとるのをお勧めします。
財務会計論は18:00までですからね。
私は試験前にカロリーメイトを食べてました。
心構え
前の科目は振り返らない。
財務会計論は200点です。配点の大きい財務会計論が一番最後にある。
そこで取り返せると思って、少しぐらいミスしても気にしない。
あとは会社法で油断しない。
会社法は問題も少ないし、時間も余るし、今日の試験はなんか余裕な気がしてしまうのです。
できた気になってしまいます。
そこで油断してはいけません。
次の管理会計論で時間は足りなくなります。
答えに迷った場合のマークの仕方
答えに迷ってしまった場合、自分なりのルールを決めておきましょう。
それは、時間を無駄にしないためです。
私の場合は「一番最初の直感を信じる」でした。
ある予備校の講師の受け売りです。
そして決して試験中に混乱しないことです。
まずは、絶対違う選択肢を切り捨てて落ち着く。
そして答えを導き出しましょう。
短答式試験は時間のロスが怖いです。
公認会計士試験の短答式試験の科目別のポイント
短式式は知識量がモノをいいます。でも一言一句覚えるような精度の高い暗記や、それに関する深い理解はいりません。
なぜんら、マークシートですから。
ここが短答式試験において勉強で最大のポイントです。
短答式に耐えうる知識量と理解。
このサジ加減がうまくできるかできないかで合格までの道のりの長さが決まってきます。
誤解を恐れずに言えば、感覚的には、どちらかというと、理解はちょっと不足しててもよいが、知識量を確保することに比重を置くのがよいと思います。
勉強であまり一つの論点にこだわりすぎないことが大切です。
さて、次は個別の科目に触れていきましょう。
会社法
知識問題です。
基本的には最も暗記がものをいう科目です。
が、会社法の全体感を理解しておくと試験に役立ちます。
全体感とは会社法の根底にある共通の考え方です。迷ったときは、常識やその根底にある共通の考え方、そもそも論、この条文で何を実現したいのかを考えると答えがでるかもしれません。
例えば決議要件などは、他の決議の場合を考えたとき、これより厳しくないよな、要件を緩くしても大丈夫だよな、という風に答えを導くことができます。
このように会社法の全体感を理解しておくのは有益です。
基本的には暗記であることは間違いないですが、知らない場面でも知ってる知識から解答を推測することで得点を稼ぎます。
条文をすべて暗記している受験生はいないでしょう。マイナーな条文はみんな知りません。
時間は余りますのでよく解答を見直しましょう。迷う選択肢について十分に検討する時間はあります。
わからない問題は仮にマークしておいて全部解答を埋めてから見直しましょう。
マークのズレ防ぐために有効です。
管理会計論
管理会計論は1時間で解くには問題量が多いかもしれません。
理論と計算がありますが、理論から解くのがおすすめです。
そして難しい計算にはまりすぎないことが最重要です。
時間がかかりそうか、そうでないかを着手する前に見切る力があると得点を稼ぎやすいです。
私は理論→原価計算→工業簿記の順で解いていました。
あと個別原価計算を得意にしておくと管理会計論の苦手意識が薄れるかもしれません。
監査論
監査論は高得点を取りやすい科目だと思います。
問題文の量は会社法よりも多いです。
会社法と比較して、知識よりも理解力が問われます。
若干暗記重視が薄れます。その代わり文章の理解力が問われます。
基本的には知ってる知らないが勝負を分けることは変わりませんが。問題文をよく読むことで解答が分かるケースがたくさんあります。
なぜこのような規定があるのか、このような監査手続を行うのかを考えると解答が見えてくるかもしれません。
得手不得手があるところですが、会社法よりも高得点が狙いやすいと思います。
財務会計論
短答式試験の勝負どころです。
試験の最後の科目であること、2時間の試験時間であることなどから受験生も疲弊してくるところだと思います。
配点は一番高いです。
多少、会社法とかでミスったとしても挽回可能です。
是非得意にしておきたい科目です。
攻略のポイントは、正攻法です。
特に、典型的な計算問題はマスターしておくこと
総合問題っぽく見える問題に対する苦手意識をなくしておくことです。
管理会計論にも言えることですが、計算問題のバリエーションはそれほど多くはないと思います。ひっかけのポイントも決まっています。
予備校で提供される問題の、特に基本問題を解いてマスターおくことが大切です。
短答式試験を合格したらいよいよ論文式試験
よく短答式試験さえ突破してしまえば、論文式試験は何とかなると言われます。
論文式試験ではまっていつまでも合格できないパターンもあるでしょう。
しかし、ある統計データでは、短答式試験合格者の70%以上が3回の論文式試験のうちのどこかで合格していくとのことです。
これが本当ならば、とりあえず短答式試験試験さえ突破してしまえばと言えなくもないですね。
一回の論文式試験の合格率は30%後半です。
とんとん拍子に行ってしまう人もたくさんいます。
まずは短答式試験の合格を確実に勝ち取りましょう。
この記事が何かしらの参考になれば幸いです。