公認会計士試験の論文式試験に臨むにあたって
短答式試験に合格しましたら、それが12月短答であれば約8か月、5月短答であれば約3か月の勉強期間を経て8月の論文式試験に臨むこととなります。
さて、短答式試験は4科目ですが、論文式試験は会計学を財務会計論と管理会計論の2科目とすると、計6科目勉強することとなります。
租税法や選択科目という全く新しい科目も勉強しなくてはなりません。
社会人にとっては、ただでさえ時間がない中でさらに多くの科目を勉強しなければならなくなり、どんどん時間が過ぎて追い込まれていくと思います。
今回は日頃から忙しく、時間がない社会人向けの勉強方法を書いてみたいと思います。
知識0の状態から勉強を始め、専念受験生に引けを取らない成績で合格。
得意科目は会計学で、論文式試験では偏差値60越え、上位10%以内の成績でした。
論文式試験の勉強は、何から手を付けるか?
論文式試験の勉強は半年から数年と長丁場です。
モチベーションを失わず、効率よく勉強するためにはいろいろな方法がありますが、こういう手順がいいかなというものを紹介します。
とりあえず講義を聞く
試験までの期間に余裕がある場合は講義をとりあえず全部聞いてください。
講義を全部終えてインプットすることが大事です。見たり聞いたりしたことはどこかで覚えています。疲れていても何でもとりあえず、講義は流しましょう。
講義の次は答練を消化する
講義が終わったら、答練に取り掛かります。
講義を消化する時間がない人や過年度受験生は、講義は聞かずに答練から入っても構いません。
今年度の改正論点とか気になるかもしれませんが、答練でだいたいカバーしてくれます。
テキストの例題とかはやりません。
答練についても、時間を計って、きっちり解くもいいですが、とりあえず隙間時間を使ってどんどん進めていきます。わからない問題は答えを見ていきましょう。
添削の提出も正直どっちでもいいと思います。点数が取れてモチベーションアップにつながるのであれば提出してもいいと思います。
とにかく答練を消化します。その時に苦手な部分や特に覚えておきたい部分には付箋を貼ったり、ボールペンで丸をしたり、印をつけておきましょう。
試験に臨むにあたっては、答練を最低限消化していきたいところです。
それでも私もすべて消化しきれませんでしたが。
添削もほとんど提出してません。
消化しきれないのは社会人受験生の常ですから全く気にする必要はありません。
答練の次は過去問をみる
そして答練を終わりにしたら、過去問を見ます。
見るだけで解きません。
答練をやり終わるタイミングで社会人受験生はもう試験までの時間が、そう長くは残されていないはずです。過去問を悠長に解いてる時間はありません。
過去の出題を確認し、傾向を把握します。
ここで特に確認したいのはやらなくてもいい部分、捨てる論点を確認することです。
例えば、財務会計論の記述問題は前年はどこの論点が出たとか、
会社法の問題の条文はどこが出たとか、ある程度の取捨選択をしておきます。
有名どころですと、租税法の圧縮記帳をどうするかとかですね。
過去問を見たら答練に戻り回転モードへ
過去問の傾向把握できたら、答練に戻ります。
過去問の傾向を考慮して、苦手な部分や重要な部分を解きなおしつつ答練を回転させていきます。これによって答練の内容をさらに絞っていくことができます。
答練を回転させながら、答練とその他の少量の教材に絞っていく、これができてきたら最終の仕上げ段階です。合格が見えてきます。
いざ論文式試験へ
論文式試験の会場には、自分が重要だと思った答練の解答冊子と会社法の問題集、ちょっとしたノートぐらいしか持っていきませんでした。
もはや自分の必要とする教材は絞りに絞り切っていたのです。
テキストとか試験会場で読んでもしょうがないですね。
社会人受験生は特に時間的な制約が厳しいと思いますが、初めに全体を把握し、徐々に教材を絞っていくプロセスが大切だと思います。
その絞っていくためのフィルターが答練と過去問です。
公認会計士試験の3日間、後悔のないよう全力を出し切ってきましょう。