キャッシュ・フロー計算書計算書の間接法を理解する②
キャッシュ・フロー計算書計算書の間接法を理解する①に引き続き、今回は②です。
今回は主に営業キャッシュ・フローって減価償却費がプラスされたり、構造が意味わからんけど、どうなってるのか?
ということについて理解を深めていきたいと思います。
3つの疑問をご紹介します。
間接法のわかりにくい3つのポイント
間接法について疑問が多い三つのポイントをご紹介します。
あるキャッシュ・フロー計算書を例にします。
税引前当期利益 300
減価償却費 200
有価証券評価損 100
支払利息 150
・・・・・・
小計 xxx
利息の支払額 ▲150
このような例で説明していきます。
疑問1 減価償却費をプラスする理由
減価償却費をプラスする理由は?と聞かれれば
「減価償却費は、キャッシュの支出を伴わない費用であるから」です。
でも、もう少し付け加えるなら、
「減価償却費は、営業に関する費用で、キャッシュの支出を伴わない費用であるから」です。
営業活動に関しない、特別損益なども加減算対象となります。
キャッシュを伴わない費用を税引前当期利益にプラスする理由は、税引前当期利益には現金の増減を伴わない費用収益も含まれてしまっているため、それをなかったことにするということです。
減価償却費を加算するということはなかったことにするということと同じです。
減価償却費はプラスして税引前当期利益への影響をなかったことにするのです。
疑問2 有価証券評価損をプラスする理由
やはり営業活動によるキャッシュ・フローの中に特別損益計算の影響があってはいけません。
なので、特別損益項目である有価証券評価損もプラスしてなかったことにしています。
P/L科目で、費用項目を加算したり、収益項目を減算しているのは、
「営業活動」から見て関係ない項目をなかったことにしているのです。
疑問3 支払利息をプラスして、利息の支払額が登場する理由
さて、支払利息も同じく加算してなかったことにしています。
でも、支払利息って営業活動に関する利息もあるんではないか?という疑問もあります。
確かに微妙なところです。
でも一応、多くの場合、営業活動によるキャッシュ・フローの小計より下で支出を計上しています。
これについては、いろいろと議論があるところではありますので、深入りせず、今回はどういうロジックで、税引前当期利益に「支払利息」を加算して、小計より下で「利息の支払額」を減算しているのかというところだけ説明します。
まずは、税引前当期利益に加算しているところですが、
これは発生主義で計上している利息はキャッシュベースではない(実際の支払額でない)ので、とりあえず取り消すという意味です。
そして、小計の下で本来の利息の支額(実際の支払額)を減算しています。
間接法理解のポイントまとめ
今回、話題に取り上げたポイントは以下の通りです。
減価償却費を加算するのは、キャッシュを伴わない支出であるから。
有価証券評価損を加算するのは、営業活動と関係ないから。
支払利息を加算し、小計の下で利息の支払額を減算するのは実際の現金ベースに置き換えているから。
以上、キャッシュ・フロー計算書計算書の間接法を理解する②でした。
簿記の勉強の理解が少しでもすすめば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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