移転費とは?
「移転費」は、雇用保険の受給資格者の方が、職業に就くため、または公共職業訓練等を受講するために、住居所を変更する場合に支給されます。
大雑把に言えば、待期期間経過後の失業期間中にハローワークや転職エージェントからの紹介によって就業し、その仕事に就くために引っ越しが必要であるとハローワークが認めた場合には、引っ越し費用の助成金がもらえる制度です。
実際に申請してみてたので、いつ、いくらもらえたのかを書きたいと思います。
詳しい受給要件は?
結局のところ、申請が可能かどうかはハローワークの給付係の担当の方との相談となりますが、受給要件は以下のようになります。
①雇用保険の受給資格者等であること。
②待期の期間が経過した後に就職し、または公共職業訓練等を受けることとなったこと。
③ハローワーク、特定地方公共団体または職業紹介事業者が紹介した職業に就くため、またはハローワークの所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、住所・居所を変更すること。
④事業所または訓練施設が、次のいずれかに該当するため、ハローワークが住所・居所の変更が必要であると認めること。
(1) 通勤(所)時間が往復4時間以上であること
(2) 交通機関の始(終)発の便が悪く、通勤(所)に著しい障害がある場合
(3) 移転先の事業所・訓練施設が、特殊性や事業主の要求によって移転を余儀なくされる場合
⑤その就職について、就職準備金その他移転に要する費用が就職先から支給されないこと、又は 就職先からの支給額が移転のために実際に支払った費用に満たないこと。
移転費はいくらもらえるのか?
移転費には、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料、着後手当の6種類があります。移転費の支給を受けることができるもの及びその者が随伴する家族について、その旧居住地から、新居住地までの区間の順路によって計算した額が支給されます。
鉄道賃:普通旅客運賃総額
船賃:2等運賃相当額
航空運賃:現に支払った旅客運賃の額
車賃:1kmにつき37円で計算した額
移転料:親族を随伴する場合:移転距離に応じて93,000~282,000円
着後手当:親族を随伴する場合、:76,000円(鉄道賃の額の計算の基礎となる距離が100km以上である場合は95,000円)
となっています。
このうち、大きいのは移転料ですね、これは距離に応じて上下します。
移転費の申請手続等
移転費の支給を受けようとする受給資格者等(申請手続)
移転の日の翌日から起算して1ヶ月以内に住居所管轄のハローワークへ、移転費支給申請書に受給資格者証等を添えて提出する必要があります。
引っ越したら、1か月以内に申請が必要です。引っ越す前に事前にハローワークに相談しておくとスムーズです。
移転費の支給を受けた受給資格者等(支給を受けた後の手続)
移転費の支給を受けたらすぐに、就職先の事業主に、移転費支給決定書を提出します。
移転費支給決定書と一緒に移転証明書の様式も送られてきます。
返信用の封筒も同封されてました。
就職先の事業主は、その移転費支給決定書に基づき移転証明書を作成し、移転費を支給したハローワークへ送付します。
改ざん防止のために、事業主からハローワークへの送付が基本となっています。
移転費の支給を受けた受給資格者等が、紹介された職業に就かなかったとき、指示された公共職業訓練等を受けなかったとき、又は移転しなかったとき、その支給された移転費に相当する額を返還しなければなりません。
実際に申請し、給付を受けてみた体験談
移転費はいつ、いくらもらえるのか、気になる人も多いと思います。
移転費の申請から受給までのスケジュール
移転費の申請から支給までの手続きは以下のようでした。あくまでも一つの例ですので、実際に申請するハローワークにご確認ください。
事前にハローワークに相談し職業紹介証明書の様式もらっておくところからスタートします。
5月10日:転職エージェントに職業紹介証明書の記入を依頼
5月17日:転職エージェントから職業紹介依頼書の返送が届く
5月18日:引っ越し完了
5月20日:ハローワークへ移転費申請
6月24日:移転費支給
6月25日:移転費の支給決定通知書が届く
6月26日:会社へ記入を依頼(手続完了)
いくら支給されたか
自分と妻の2人家族、距離は50km未満の引っ越しの場合でした。
詳細は若干ぼやかしますが、
金額は、移転料93,000円、着後手当76,000円、その他(鉄道賃・車賃)合計で、
約170,000円でした。
申請から支給まで、約1か月とちょっとという感じでした。
引っ越しは何かと出費も多いですから本当に助かりました。
最後に、移転費の申請や支給のポイント
移転費の申請に際して、特に注意したい点は以下の通りです。
・ハローワーク、もしくは職業紹介事業者(転職エージェント等)からの紹介求人か。
・新しい勤め先は引っ越さないとすると往復で4時間以上かかる場所にあるか
・会社から引っ越しの補助などは支給されるか
以上です。参考になりましたでしょうか。
現在住んでいる場所から遠く離れた場所に就職する場合に移転費が支給されることを知っていると就職・転職の選択肢広がると思います。
ハローワークの担当の方も必ず申請について教えてくれるとは限りませんので、知っておいて損はないと思います。