車に脱出用ハンマーを積んでいても、トランクに入れていたら緊急時に取り出せない可能性があります。
水没や事故で車内に閉じ込められたときは、数秒~数分の差が重要になることもあります。
そのため脱出用ハンマーは、単に「車に積んでおく」のではなく、運転席からすぐ手が届き、なおかつ動かないよう固定できる場所に設置することが大切です。
脱出用ハンマーはシートベルトを着けたままでも運転席から手が届く場所に、専用ホルダーなどで固定しておくのがおすすめです。
具体的には、
① 運転席シート横・センターコンソール横
② 運転席周辺の固定できる場所
③ 運転席ドア付近(確実に固定できる場合)
④ 助手席側にも1本設置
反対に、トランク・ラゲッジスペース・奥深い収納・車内に転がしておくだけはおすすめしません。
この記事では、車の脱出用ハンマーをどこに置けばよいのか詳しく解説します。
・脱出用ハンマーを買ったけれど置き場所に迷っている
・車の水没対策をしておきたい
・運転席周辺のどこに固定すればよいかわからない
・家族の車にも脱出用ハンマーを用意したい
脱出用ハンマーのメーカー選びはこちら
脱出用ハンマーは「車にある」だけではダメ
脱出用ハンマーを購入すると、安心してトランクやラゲッジスペースに収納してしまう方もいるかもしれません。
しかし、それでは水没時に使えない可能性があります。
国民生活センターが実施した調査では、脱出用ハンマーを車に積んでいた人の中にも、トランクなど、車内に閉じ込められた際に手に取れない場所へ置いていた人がいました。
JAFも、水没などへの備えとして脱出用ハンマーを車内の手に届くところに常備することを案内しています。
参考:国民生活センター「自動車用緊急脱出ハンマーによるガラスの破砕」
おすすめ① 運転席シート横・センターコンソール横
個人的に最も設置しやすいと思うのが、運転席シート横やセンターコンソール横です。
この場所なら、運転席に座った状態から手を伸ばしやすく、商品付属のホルダーなどを使って固定しやすいケースがあります。
・運転席から手が届きやすい
・シートベルトをした状態でも取りやすい
・目立ちすぎない
・専用ホルダーを設置しやすい
ただし、車種によってセンターコンソールの形状は異なります。
運転操作やシート移動の邪魔にならず、確実に固定できる場所を選びましょう。
おすすめ② 運転席周辺の固定できる場所
脱出用ハンマーの設置で重要なのは、特定の場所そのものよりも、
②すぐ外せる
③普段は動かないよう固定されている
という3条件です。
専用ホルダーが付属している商品なら、その車でメーカーが指定する方法に従って取り付けるのが基本です。
Honda Accessの純正緊急脱出・救出用ツール「スマートレスキュー」では、車種専用品として運転席のグラブレールへ固定する設置方法が採用されています。
このように、自動車メーカーの純正用品でも「運転席からアクセスできる場所への固定」が考えられています。
おすすめ③ 運転席ドア付近
運転席ドア付近も手を伸ばしやすい場所です。
ただし、単純にドアポケットへ放り込むだけではなく、商品や車両の仕様に合った方法で固定できるかを確認したいところです。
事故や横転時には車内の物が移動する可能性があります。
特に金槌型の脱出用ハンマーは重量があります。
普段の急ブレーキなどでも動かない状態にしておくことが大切です。
おすすめ④ 助手席にも1本置く
家族で車に乗ることが多いなら、運転席と助手席にそれぞれ1本用意する方法もあります。
事故の状況によっては、運転者が動けなかったり、運転席側のハンマーへ手を伸ばせなかったりする可能性も考えられます。
脱出用ハンマーは比較的コンパクトな製品も多いため、家族で使う車なら複数配置も検討できます。
グローブボックスはどう?
何もないよりはよいですが、私は第一候補にはしません。
グローブボックスは一般的に助手席側にあり、運転席から身体を伸ばして開けなければなりません。
さらに事故によって姿勢が崩れていたり、シートベルトが外れなかったりすると、取り出しにくくなることも考えられます。
実際に運転席へ座り、シートベルトを装着した状態で手が届くか確認してみましょう。
トランクに置くのはおすすめしない
脱出用ハンマーの置き場所として、最も避けたいのがトランクです。
国民生活センターも、トランクなど緊急時に手に取ることができない場所へ積載していたケースを指摘しています。
水没してドアや窓が開かない状況では、当然ながらトランクへ取りに行くことはできません。
× ラゲッジスペース
× 荷物の下
× 奥深い収納
非常用品だからといって、非常持ち出し袋などとまとめて荷室へ入れてしまわないよう注意しましょう。
運転席の足元に転がしておくのもNG
「手が届くなら運転席の足元でいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、固定せず足元に置いておくのは避けましょう。
走行中に物が移動してペダル操作を妨げるような位置へ入ることは、安全運転上好ましくありません。
また急ブレーキや事故の際には、車内を移動する可能性もあります。
シート下はどう?
シート下も一見よさそうですが、固定せず置くだけならおすすめしません。
急ブレーキなどで奥へ移動してしまえば、いざというときに探すことになります。
シートを前後に動かした際の干渉にも注意が必要です。
シート周辺に設置するなら、製品の取扱説明書や車両側の条件を確認し、専用ホルダーなどで確実に固定できる位置を選びましょう。
実際にシートベルトをして確認してみる
脱出用ハンマーを設置したら、一度テストしてみることをおすすめします。
① 普段の運転姿勢になる
② シートベルトを装着する
③ 身体を大きく動かさずハンマーへ手を伸ばす
④ ホルダーから外せるか確認する
⑤ シート位置を変えても届くか確認する
家族で同じ車を運転する場合は、ドライバーごとに座席位置が変わります。
家族全員が取れる場所かどうか確認しておくと安心です。
「窓を割る練習」はしなくても使い方は確認しておく
当然ながら、自分の車の窓を実際に割って練習するわけにはいきません。
しかし、商品を購入したら取扱説明書は一度読んでおきましょう。
脱出用ハンマーには、
・窓へ押し付けるスプリング式
・シートベルトカッター一体型
などがあります。
緊急時に初めて説明書を読む余裕はありません。
国土交通省も、緊急脱出用ハンマーを車に備えるだけでなく、あらかじめ取扱説明書などで使用方法を確認するよう案内しています。
参考:国土交通省「いざというときのために、緊急脱出用ハンマーを備え付けましょう!」
窓ガラスのどこを叩く?
JAFのユーザーテストでは、脱出用ハンマーを使う場合、窓の四隅のいずれかを狙うと効率よく割ることができると案内しています。
ただし、脱出用ハンマーで破砕できるのは主に強化ガラスです。
フロントガラスに使われる合わせガラスは、一般的な脱出用ハンマーでは破砕して脱出することができません。
サイドガラスにも合わせガラスを採用している車種があるため、自分の車がどのガラスを使用しているか事前に確認しておきましょう。
脱出用ハンマーを選ぶなら固定ホルダー付きがおすすめ
これから脱出用ハンマーを購入するなら、性能だけでなく固定方法もチェックしましょう。
・専用ホルダーが付属している
・運転席周辺に設置しやすい
・簡単に取り外せる
・シートベルトカッター付き
・JISマーク・GSマークやメーカー推奨品などを確認
国土交通省は、市場品の性能試験を踏まえ、十分な破砕性能が確認されたJISマークやGSマークを取得した製品、販売店等が推奨する純正品などを推奨しています。
せっかく備えるなら、価格だけでなく緊急時に確実に使用できる製品を選びたいところです。
参考:国土交通省「豪雨に備えて、車に脱出用ハンマーを備えましょう!」
おすすめの置き場所を比較
| 置き場所 | 取りやすさ | おすすめ |
|---|---|---|
| 運転席シート横・コンソール横 | ◎ | ★★★★★ |
| 運転席周辺の固定場所 | ◎ | ★★★★★ |
| 運転席ドア付近 | ○ | ★★★★☆ |
| グローブボックス | △ | ★★☆☆☆ |
| シート下(固定なし) | △ | ★☆☆☆☆ |
| トランク | × | ☆☆☆☆☆ |
よくある質問
脱出用ハンマーは車のどこに置くのが一番いい?
シートベルトをした運転姿勢のまま手が届き、確実に固定できる場所がおすすめです。
車種や製品によって適切な取付位置が異なるため、取扱説明書も確認してください。
ドアポケットに入れてもいい?
手が届きやすい場所ですが、単に放り込むだけではなく、事故や横転時にも移動しないよう固定方法を確認することをおすすめします。
グローブボックスではダメ?
トランクよりは取り出しやすいものの、運転席からすぐ取れるとは限りません。
実際にシートベルトをした状態で手が届くか確認しましょう。
トランクに入れておけばいい?
おすすめしません。
国民生活センターも、車内に閉じ込められた際に手の届かないトランクなどへの積載について注意を促しています。
脱出用ハンマーは固定した方がいい?
固定しておくことをおすすめします。
国民生活センターも「手の届くところに安全に固定」して常備するよう案内しています。
まとめ|脱出用ハンマーは運転席からすぐ取れる場所へ
脱出用ハンマーは、買って車に積んだだけでは十分とはいえません。
① 運転席から手が届く
② シートベルトをした状態でも取れる
③ 車内で動かないよう固定する
特に避けたいのが、トランクやラゲッジスペースへしまい込むことです。
個人的には、専用ホルダーを使って運転席シート横やセンターコンソール周辺など、運転操作を妨げず手が届く位置へ設置するのがおすすめです。
そして一度設置したら、実際に運転席へ座ってシートベルトを締め、手が届くか確認してみてください。
「持っている」ではなく「緊急時に使える状態にしている」ことが、水没対策では大切です。
信頼できるメーカーや選び方については、こちらの記事で5メーカーを比較しています。

